「3つの税優遇」という広告の噓と本当
よくiDeCoには「3つの税優遇」があると言われます。表現として正しくない部分もありますが、まずはその3つの税優遇を確認していきましょう。
① 拠出した金額が全額所得控除になる
② 運用時の利益に対して非課税
③ 受取時にも控除を利用することができる
まず①ですが、もしあなたがiDeCoを始めて年間10万円をiDeCoに拠出したとします。すると、この拠出金10万円が所得控除となり、所得税と住民税が少なくなります。住民税は10%と決まっていますが、所得税は所得によって税率が異なります。
所得税率は最低5%、最高45%(復興税除く)です。ちなみに目安としてお伝えしておくと年収400万円前後の人であれば、おそらく一番低い5%程度だと思います。
もし仮に所得税率5%、住民税率10%とする場合、毎月1万円(年間12万円)拠出をすることにより所得税が6,000円、住民税が12,000円少なくなるということになります。
これを30年続けると、18,000円×30年ですのでトータル54万円の税金が少なくなるというわけです。月々1万円の拠出でも長く続けるとバカにならない金額になります。
そして、「②運用時の利益にも非課税」とありますが、特定口座などの課税口座で運用する場合、利益が出ると20%課税されるのですが、iDeCoではそれも非課税となっています。
ただし、これは税優遇でも何でもなくiDeCoは出口部分で元本と利益を合わせた元利合計を課税対象とするので、途中で課税しないというだけです。言ってしまえばiDeCoとは入り口と途中で税金は取らないけれども、最後にまとめて課税するシステムなのですね。
したがって受け取り時の控除を利用できるかが重要になります。