地獄のような後遺症の苦しみ

覚醒剤の依存性は高く、数回の使用で抜け出せなくなることもしばしばだ。だが、覚醒剤はタダではない。ゆえに、少女は売春をして金を稼ぎ、それをすべて覚醒剤に投入する。

人は覚醒剤をやるとすぐに副作用に襲われることになる。それによって身も心もボロボロになり、幻覚の中で異常な言動に及んだところを、警察に逮捕されることが大半だ。少年院における女子の覚醒剤使用率が高いのは、こうしたことが原因だ。悪い大人たちにだまされ、性の玩具にされる中で廃人となり、少年院へと送られてくるのである。

その先には、後遺症との戦いという地獄のような苦しみが待ち受けている……。

覚醒剤を使用した男性が払う代償も大きい。人が覚醒剤による性行為の快楽を知ってしまうと、脳内にそれがインプットされて、頻繁にフラッシュバックを起こす。こうなると、四六時中、覚醒剤をやることしか考えられなくなる。

家族や友人たちは離れていき、生活は荒み、仕事はなくなる。覚醒剤ほしさに犯罪に走る者も少なくない。そして必死に相手をしてくれる女性を探し、無理やり薬漬けにして性行為に及ぶ。だが、覚醒剤は快楽を与えるだけでなく、死へと導く毒薬だ。

覚醒剤は、人から興奮を促すドーパミンを強制的に放出させる。使用した人が夢中になってあることに没頭するのはそのためだ。しかし、薬物によって無理やりドーパミンを引き出しているので、薬が切れると同時にドーパミンが空っぽの状態になる。

こうなると、その人は興奮とは正反対の状態、つまり極端に無気力なうつ状態に陥る。彼らの目の前にあるのは、覚醒剤によって何もかも失ったという現実だけだ。そんな者たちの頭に浮かぶのが、「死」だ。これ以上ないほど沈んだ精神状態の中で希死念慮(死にたいという気持ち)に捕らわれる。