24時間音楽漬けの日々
――生徒同士でバンドを組んだりするのですか?
イベントのためのパーティバンドやジャズのギグなどでは、一回限りのメンバーで演奏しますが、バンドを組む生徒もいます。
僕は同級生とではなくて、卒業した先輩たちのヒップホップバンドに、オーディションを勝ち抜いて加入しました。
バンドでの活動は学業とは全くの別物ですが、色々な経験を積めて面白かったです。毎週末ツアーに出て、ライブハウスやカジノ、バー、スキー場など、ありとあらゆる場所で演奏しました。
Slum VillageやPharcyde、Bernie Worrell(Pファンク主要メンバーの一人)とかのオープニングアクトも経験しました。
(注:OPTビザやアーティストビザを取得後、ギャラをもらう仕事をしていた)
基本的にアメリカでは、ミュージシャンは会場側からその日の食事をタダで貰えます。
なおかつ「会場を盛り上げて、お客さんがドリンクを沢山飲んだら、その売り上げがギャラに反映される」っていうシステムなんですね。
だからお客さんを盛り上げるためにバンドも演奏を頑張るし、日本よりも良いシステムだと感じます。
(日本の場合、基本的にアマチュアのバンドは、売り捌いたチケットの枚数に応じてギャラが決まる。自分のバンド目当ての客が一人もいなければ、ギャラが0円、むしろ機材使用料で収支がマイナス、ということも有り得る)
――JACKSONさん自身が、バークリー音楽大学に入って良かったと感じる部分はどんなところですか?
やっぱり、24時間音楽のことに集中できるということ。
バークリー音楽大学では、このカード(画像参照)を受付に提出すると鍵が貰えて、個人練習をする部屋を最大8時間まで借りられます。
8時間ほぼぶっ通しでドラムを叩いて、隣のブースの上手い生徒の練習を覗き見して、その後授業に出て、腹が減ったらカフェテリアでカピカピの不味いハンバーガーを食べて(笑)、また練習して。
アンサンブルルームという合奏用の部屋に行けば、色々な学生が集まっているので、気軽にセッションもできます。そこで友達から自分が知らない技術を教えてもらったり、好きな音楽の話をしたり。
これほど整った環境を自分だけで用意するのは、きっとかなり難しいですよね。そういう音楽漬けの生活が出来るのが、一番の魅力だと思います。