毎年100人入部する早稲田大「お笑い工房LUDO」
「大学にお笑いサークルができ始めたのはここ十数年。それまで大学には基本的に落語研究会しかありませんでしたが、落語研究会のメンバーでも漫才やコントをやりたい人が出てきて、それらに特化したサークルが次々と生まれたそうです」
お笑いサークルの成り立ちをそう話すのは中央大学「落語研究会」出身で、M-1グランプリ準々決勝に3度進出経験のあるシンクロニシティの西野さん。
落語研究会から派生したのがお笑いサークルだが、西野さんが所属した「落語研究会」やミルクボーイの出身である大阪芸術大学「落語研究寄席の会」、ナイツを輩出した創価大学「落語研究会」などは落語を謳っていても必ずしも落語をする必要はなく、実質お笑いサークルとなっているパターンもあるそうだ。
都内の主要お笑いサークルと、出身芸人をまとめると以下のようになる。
●早稲田大学「お笑い工房LUDO」
ハナコ(岡部大)、にゃんこスター(アンゴラ村長)、ひょっこりはん、ラパルフェ
●慶應義塾大学「お笑い道場O-keis」
真空ジェシカ(川北茂澄)、令和ロマン、ストレッチーズ
●上智大学「Sophia Comedy Society」(SCS)
ラランド
●明治大学「木曜会Z」
ママタルト(大鶴肥満)、サツマカワRPG、
●青山学院大学「ナショグルお笑い愛好会」
真空ジェシカ(ガク)、さすらいラビー(宇野慎太郎)
●中央大学「落語研究会」
シンクロニシティ
●法政大学「HOS」
マヂカルラブリー(村上)
●創価大学「落語研究会」
ナイツ
日本大学もお笑いサークル活動に熱心だが、学生数が多い影響か、経商法、文理、生産工学など学部ごとに落語研究会があるそうだ。
ちなみに、現在のお笑いサークルブームの先駆けとされるのが、早稲田大学のお笑いサークル「WAGE」。同サークルの主要メンバー5人はコントユニット「WAGE」としてアミューズからプロデビュー。メンバーにはかもめんたるの岩崎う大、槙尾ユウスケや、小島よしおらがいた。
彼らが在学中にデビューしたことで「WAGE」は消滅し、その代わりに頭角を現したのが、現在、大学お笑い界でもっとも勢いがあり、多数の芸人を輩出している「LUDO」というわけだ。早稲田大学には山田邦子やオアシズが在籍していた「寄席演芸研究会」といった老舗サークルも存在しており、そのレベルの高さがわかる。
屈指のマンモスお笑いサークル「LUDO」は毎年100人近くの部員が入部する。しかし、「大規模なサークルだと、たくさん新入生が入るものの、最初のネタ見せやライブ等でスベって現実を見せられた7~8割の人はすぐに辞めてしまう、みたいな話を当時は聞いたことがあります」(西野さん)
思ったよりもまったく受けない。そんな洗礼を早々に受けてしまうのも、大学お笑いあるあるなのだそうだ。