見どころ3:遊び心溢れる没入型の展示
本展示会では、5つに分かれた展示空間のほか、アリスの摩訶不思議な世界に足を踏み入れたような没入型展示を合わせて楽しめるのも特徴だ。
お茶会のシーンや、消えては現れるチェシャー猫との出逢いのシーンなど、数多くの読者が「一度は体験してみたかった!」と描いていた夢を叶えられるのだ。
一見、ただの食器が並んだ長テーブルも、不思議の国の魔法にかかればパーティ会場に様変わり。子どもから大人まで楽しめる魅力的な仕掛けが満載だ。
プロジェクションマッピングを贅沢に使い、完全再現した幻想的なアリスの世界を実際に体験してみてほしい。
展示の終盤にある小説のラストシーンのパネルは、アリスの物語と展示会にいる自分がシンクロするかのような印象を受けた。そのパネルには次のような言葉が……。
壮大な『不思議の国のアリス』の冒険は次の場面で幕を閉じます。
最後の展示が終われば私たちの旅も終わり。アリスと同じく夢から覚めたような気分で、出口へと向かう。入場から約1時間。本のページを捲るように、入り口から出口までアリスの世界観に浸り続けた。
自由で何者にも縛られないアリスという作品の良さをさまざまな手法で表現した本展。
原作、派生作品問わずアリス作品のファンであるならもちろん、アリスに関するおぼろげな記憶を手繰りで懐かしむだけでも十分に楽しめる内容だ。
10月10日(月・祝)まで開催しているので、夏休みに家族で訪れるのもいいだろう。
この夏日本へとやってきた、アリスのへんてこりんな世界へ、ぜひ足を踏み入れてみてほしい。
取材・文・撮影/すなくじら
『特別展アリス─へんてこりん、へんてこりんな世界─』
会期:2022年7月16日(土)〜10月10日(月) ※会期中無休
会場:森アーツセンターギャラリー(六本木ヒルズ森タワー52F)
ホームページ:https://alice.exhibit.jp/