タイムはビンゴ次第!?  2022年夏大会はここにも注目

RTA in Japanの見どころはなんと言っても、世界トップクラスのプレイヤーによる洗練された動きにある。

「どの参加者もタイムを縮めるためにゲームの研究や操作精度を突き詰めています。計算され尽くした精密な動きを見るのももちろん楽しいですが、早さを追求するあまり、そのゲームを知らない人が見ても『変な動きをしているな』とわかる場面も結構あるんです。壁をすり抜けたり、高速で移動したり。初めてRTAを見る人は不可思議なプレイの数々にも注目してみてください」(RTA in Japan・中村圭宏氏)

また、RTAはルールに応じてがらりと攻略方法が変わる。例えば同じゲームでもバグの利用が認められているルール、禁止されているルール、一部の区間だけのクリアタイムを競うルールなどがあり、それぞれ全く別の走りを見ることができる。過去には目隠しをし、音や感覚だけを頼りにクリアを目指すRTAも行われた。

特殊な条件下でどのようにゲームが攻略されていくのかを見るのもRTAの楽しみ方の一つといえる。今回のRTA in Japan Summer 2022でも一風変わったRTAがいくつか実施される予定だ。

1日目には『ゼルダの伝説 ムジュラの仮面』のビンゴRTAが行われる。ビンゴシートにはボスの撃破や特定アイテムの取得といったミッションが書かれており、それらを達成することでマスを埋め、ビンゴとなるまでのタイムを競う。

「ビンゴRTAは2名の走者によるレース形式で行われる予定です。ビンゴシートはスタートまで非公開なので、走者はその場で埋めるミッションや攻略順を決めなくてはなりません。それぞれに走り方が異なってくると思うので、その違いにも注目です」(中島氏)

2000年にNINTENDO64用ソフトが、2015年にリメイク版が3DS販売。繰り返される3日間のなかで、街の人々のトラブルを解決しながら月の落下を防ぐというストーリー
2000年にNINTENDO64用ソフトが、2015年にリメイク版が3DS販売。繰り返される3日間のなかで、街の人々のトラブルを解決しながら月の落下を防ぐというストーリー

また、2日目にはファミコン向けソフト『忍者龍剣伝』のシリーズ3作品をリレー形式で攻略するRTAも実施予定。こちらのルールでは1作目が終わったらカセットを入れ替えて次の走者へバトンタッチしていく。プレイングだけでなく、走者交代というオフラインイベントならではの課題をどうスムーズに行っていくかも見逃せないポイントだ。

さらに、視聴者参加型のRTAも。こちらは3日目に予定されている『機動戦士ガンダム ギレンの野望 アクシズの脅威V』のRTAで、本タイトルは機動戦士ガンダムに登場する「地球連邦軍」と「ジオン公国」の2つの陣営のシナリオが遊べる。どちらのシナリオでRTAを走るか、イベント開始日に始まる寄付額投票の結果で決めるのだ。

「RTA中は『今何やっているの?』と疑問に思う場面が頻繁に出てくるのですが、走者本人や解説の人がしっかり説明してくれるので、置いてけぼりになることはあまりないと思います。RTAだからといって身構えず、気楽に楽しんでもらえるとうれしいです。とはいえ、100時間すべてを見るのは大変だと思うので、やったことがあるゲームや、面白そうだなと思ったルールのRTAから見ていただければと思います」(中村氏)