大津いじめ自殺事件では…

いじめっ子は罰せられないと思って、モヤモヤしている人も多いでしょう。

しかし、大津いじめ自殺事件においては、加害少年3人のうち、当時14歳だった2人は滋賀県警に暴行容疑などで書類送検され、大津地検によって大津家庭裁判所に送致されました。

また、13歳だった1人については、滋賀県警が暴行などの非行事実で児童相談所に送致し、児童相談所が大津家庭裁判所に送致しました。ただ、事件が大きくならないと加害生徒は罰せられないのか、との声もあります。しかし、現在の制度でも、学校側はいじめや校内暴力などの問題行動を起こす生徒に対しては、「出席停止」の措置を行うことができます(中学校までは義務教育ですので退学や停学にすることができない)。

これはあくまでも、いじめっ子の教育の機会を奪うものではなく、学校の秩序を維持し、他の児童生徒の教育を受ける権利を保障するためにとられる措置とされます。また、学校側は出席停止されたいじめっ子に対して、学校へ円滑に復帰できるよう学習を補完するなどの必要な対策をしなければならないとされています。

文部科学省は通知(問題行動を起こす児童生徒に対する指導について)などを通して、市町村教育委員会に対して出席停止措置をためらわずに検討するように要請しています。

しかし、出席停止措置の利用条件はたいへん厳しいものとなっており、学校側の負担が大きいことや、子どもの義務教育を受ける権利の保障の観点からも、なかなか利用が進んでいないのが実情です。