養鶏所の面白いチャレンジ

幻の卵屋さんの店舗では、取り扱いのある全90種類以上の卵から、日替わりラインナップに選ばれた約20種類の卵が店頭に並ぶ。

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「幻の卵屋さん」の卵ラインナップの一部

気になる価格は、6個1セットで800円(税込)。卵の組み合わせは自由に選ぶことができる。一般的な卵と比べると高額だが、ブランド卵の食べ比べができるという点は他にはない魅力だ。中には、一風変わった試みで作られる卵も存在する。

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ひとつひとつ個性ある卵が選べて楽しい
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「兵庫県の『夢美人』という卵は鶏にモーツァルトの曲を聴かせて育てています。一般の卵よりも、味がまろやかになるそうです。富山県の『ちどりたまご』は、生の酒粕を餌として与えた鶏の卵。TKGにすると、冷めてきたときにほのかに酒粕の風味を感じます」

他にも「北陸物語日本海食べてご卵(たべてごらん)」という富山産の卵は、のどぐろ・甘海老・ずわいがに等を鶏に食べさせているというから驚きだ。

「海の幸に加えて地元ブランドの飼料米も与えているので、この卵を産む鶏は海鮮丼を食べて育ったようなものですね。白身は蟹の風味がして、塩をかけると魚介の味わいが出る珍しい卵です。色んな卵があるので、たくさん試してお気に入りの卵を見つけてもらえると嬉しいですね」

新規の卵の取り扱いは、研究所の理事全員で試食した上で決めているという。特に注目している点は生産者の養鶏に掛ける想いだ。

「卵は水と餌で99%味が決まるので、味見をすれば作り手のこだわりがわかるんです。私は、初めて食べる卵のテイスティングでは、白身を飲み、黄身を舐めて味を見ます。卵の味から養鶏に対する作り手の想いを感じ取っています」