汗臭、ワキガ臭、加齢臭、ミドル脂臭の違い

体臭のタイプは主に8種類あり、部位や年齢、生活習慣によって発生する原因や臭いは異なります。


タイプ1:汗臭

エクリン腺から出る汗を皮膚にある常在菌が分解し、皮脂と混じり合うことで臭いを発生させます。汗臭さはこの臭いです。
汗が分泌した後、放置したままだと臭いが発生するため、殺菌作用があるボディシートでこまめに汗を拭き取ったり、着替えたりすることで解消しますし、洗濯すれば衣服から汗臭さは取れます。

タイプ2:ワキガ臭

ワキガは、汗腺の一つであるアポクリン腺から出る汗が肌の雑菌により分解されることで独特な臭いが発生する体臭です。
カレーを想起させるスパイシーな臭い、生乾きの雑巾を想起させるカビっぽさや酸っぱさを伴う臭い、鉛筆の芯のような臭いなどが特徴です。
ワキガ臭が強いかどうかは脇にどれだけのアポクリン腺が存在するのかで決まり、アポクリン腺の数は遺伝によってほとんどが決まります。
また、脂質の摂りすぎ、飲酒、喫煙、睡眠不足など生活習慣の乱れによってワキガ臭が悪化するとされています。

タイプ3:加齢臭

40代頃から発生する枯草や古い油のような臭いのことを指します。
年齢を重ねると皮脂腺の中にあるパルミトレイン酸と呼ばれる脂肪酸が増加するとともに、体内の活性酸素が増加します。
このパルミトレイン酸が活性酸素と結び付き酸化して「ノネナール」という物質が発生し、独特な臭いとなります。
加齢臭は首の後ろ、背中、胸辺り、何度も着用した衣服から発生していることが多いです。


タイプ4:ミドル脂臭

30代半ばから強くなり始める臭いで、首の後ろからうなじにかけて発生します。
使い古した油のような臭いが特徴。
ミドル脂臭の原因物質は「ジアセチル」です。
「ジアセチル」とは、エクリン腺から出た汗に疲労物質の「乳酸」が含まれると、皮膚の上にある常在細菌(ブドウ球菌)により代謝・分解されることで生成される物質のことです。皮脂腺から分泌される皮脂臭(中鎖脂肪酸)とジアセチルが混ざった臭いがミドル脂臭と呼ばれます。

男性だけでなく、女性にもミドル脂臭は存在します。
女性ホルモンのエストロゲンが減ると、男性ホルモンの働きが活発になり、皮脂分泌が促進されるとミドル脂臭がするようになるのです。

汗臭、加齢臭、ストレス臭。夏に気をつけたい「8つの体臭」_1
女性でもミドル脂臭は強くなる

加齢臭とミドル脂臭の区切りは、40代になったから加齢臭になるということでなく、人によっては両方存在する場合があります。
加齢臭やミドル脂臭が発生する原因は年齢による分泌物(汗や皮脂)の変化であり、食事、睡眠、ストレスなど生活習慣によってもそれらの体臭が悪化すると考えられています。