スリリングだった昭和の公園
珍しい仕掛けやカラフルな色合いの遊具ばかりだったこともあり、大人でも終始飽きることはなかった。「この遊具はどうなっているんだろう?」と触れてみたり、思わず童心に帰って自分も遊んでみたりして楽しく過ごせた。
偶然インクルーシブ公園を体験してみて、ふと「自分が子どものときの公園ってどんな感じだったっけ…?」という疑問が。
そこで、昭和時代の公園や遊具について調べてみた。
昔の公園で一般的だったのが、椅子ブランコや回転ジャングルジム、回転塔、吊り輪など。どちらかというと「スリリングな遊具」だ。一定以上の年齢の読者ならば、子どもの頃に遊んだ記憶がある人も多いのではないだろうか。
30代の筆者が公園遊びをしていた頃はすでに平成だったが、「回転ジャングルジム」「吊り輪」などはまだ比較的公園にあった気がする。友達同士で回し合って目が回ったり、吊り輪にどれだけつかまっていられるかを競い合ったりもしていた。
楽しかった反面、公園で遊んでいてケガをすることも多かった。小学校のときには遊具の高いところから落ち、乳歯が欠けてしまった記憶もある。また、一歩間違えば大ケガにつながりかねないような遊び方もしていた気がする。
さらに調べていくと、規制がまだ厳しくなかった昭和40年〜50年ごろは、かなりユニークかつ「危ない」公園・遊具もたくさんあったようだ。
今回資料をご提供いただいたのは、遊具の企画開発・施工等を行う株式会社丸山製作所の代表取締役社長で、一般社団法人日本公園施設業協会の副会長・規準委員長・東京支部長を務める丸山智正さん。丸山さんは、まさしくこういった昭和の公園で遊んでいた世代だという。
「当時の遊具は、現在の観点からいうと安全規準的にNGなものもありますが、『なんでもやってみよう』という自由な発想や、子どもたちのエネルギーが強く感じられました。昭和の時代の遊具の特徴として、一品生産のものも多かった。いわゆる『工業製品』というよりも、遊具そのものがひとつの『作品』として扱われる傾向がありました」(丸山さん)