紅白に出場したBiSHや『水曜日のダウンタウン』(TBS)から生まれた豆柴の大群が所属する音楽事務所WACK。代表である渡辺淳之介氏が手掛ける奇抜なプロモーションや、メンバーの個性的なファッションは幅広い世代から支持を得ている。
そんなWACKにおいて、今最も注目すべきグループがASPだ。2022年8月にはavex traxよりメジャーデビューも決定。それを誰よりも喜んだのは、オリジナルメンバーの一人であるユメカ・ナウカナ?だろう。
これまでアイドルとして二度の「解散」を経験してきた彼女にとって、3度目の正直ともいえるアイドルデビューになる。「ドン底」も経験したと語るユメカ・ナウカナ?が、メジャーデビューに至るまでの軌跡に迫る。
アイドル活動の「どん底」で出会ったのがBiSHだったんです
——本日はよろしくお願いします。
ホントに私で大丈夫ですか? あんまり単独で取材を受けることってなくて。ちゃんと掲載されますよね(笑)?
――もちろんです! 最初に、ユメカさんがアーティスト活動を始めた経緯を教えてください。
3歳のときからアイドルになりたい! と、ずっと思っていたんです。一度その夢は叶ったんですけど、そのグループは私が加入してから2年ぐらいで解散しちゃったんですよね。アイドルになりたいっていう想いが強かったぶん、もう夢とか全部打ち砕かれたような気持ちでした。
――当時の活動を見ていると、ユメカさんのポジションはステージの端が多いですよね。
そうなんです。歌のパートも全然なくて。これが自分の実力なんだなって思い知らされたっていうか。解散してもしばらくは「あ〜、私ってアイドル向いてなかったんだな」って落ち込んでました。アイドルがあんなに大好きだったのに、蓋を開けてみたら自分には全然向いてない。あの頃は精神的にもどん底で、本当に暗黒期でしたね。
――そんななかで、どうして活動を続けようと思ったのですか?
それはBiSHさんのおかげです! アイドルを辞めていた頃に、たまたまBiSHさんの曲を聞いたんです。そうしたら手が届かないところにいるはずの彼女たちが、すぐそばで応援してくれているような気がして。アイドルってすごい! と、改めて感じた瞬間でした。そのときに初めて「自分も誰かを勇気づけられる人になりたい」と強く思ったんです。ちょうどWACKがオーディションを開催していたことを知って、すぐに履歴書を送りました。