採用面接で「当事者意識」を判断できる質問

私はコンサルティングでいろいろな会社を訪れますが、他にも危険な兆候はあります。たとえば、古い昔のポスターが普通にそのまま貼ってある。入り口の植物が枯れていても、そのままに放置されている。

いずれも、社員は、毎日見ているはずです。見ていても、気づかない。気づいていても、やろうとしない。「当事者意識」がないと、関心すらなくなるのです。これらは、危ない兆候です。

さらに言えば「当事者意識」や「主体性」というのは、入社する前からすでに微妙な兆候が表れています。

たとえば採用面接で、同じ「成長」という言葉からも次の2つのパターンに分かれます。

・「私を、どのように成長させてくれますか?」と質問してくる人
・「私は成長したいので、それを支援してくれる制度はありますか?」と聞いてくる人

ちょっとした違いかもしれませんが、意識は大きく違いますよね。誰かが成長させてくれると思っている人が、果たして成長するでしょうか。

成長とは、自分のことです。「当事者意識」を持って主体的に学ぼうとしないかぎり、成長などしません。会社ができるのは、そのような人に、研修で学ぶ場、仕事で実践する場を与えてあげることだけなのです。

同じく面接で、学生時代のアルバイト経験を尋ねても、「主体性」のある人は「こんな工夫をした。こんなことを学ぶことができた。失敗したこともあったが、大きなものを得ることができた」など、いきいきと話します。

一方、「主体性」がない人は、お金を稼ぐための手段としてしかアルバイトを見ていないので、とくに工夫もしておらず、深い話が聞けないことが多いのです。

こうした、ちょっとした話からも「当事者意識」や「主体性」は感じ取れるのです。