「当事者意識」の有無はちょっとした言動から見て取れる

たとえば、「会社が〇〇してくれないんですよ」と、なんの悪気もなく普通に言っている社員は、「主体性」がない、「当事者意識」がない。そういう人の比率が高い会社は、けっこう危ないです。

「自分たちは言われたことをやっている。上が悪い」と思っている人が多い会社も、かなりまずい。なぜなら、言われたことしかやらないからです。そのような状況で、生産性が上がるわけはないですよね。

実際に、私がコンサルティングする際に、「当事者意識」がない人が多い会社の場合には、まず、そのことの愚かさに気づいてもらうところから研修を設計します。

たとえば、こんな話からはじめます。

「あなたは、会社の入り口にゴミが落ちていたら拾いますか? 自分の会社だと思っていたら拾いますよね。でも、『当事者意識』のない社員ばかりの会社は拾わない。表現は過激ですが、腐りかけている会社の社員は拾わずに通りすぎるのです。自分の家にゴミが落ちていたら、普通は拾いますよね。会社も同じで、『当事者意識』のない社員は、会社が自分のものじゃないから拾わない。『当事者意識』の有無は、そういう小さいところから出はじめるのです」

社員の主体性の有無が、『オフィスの床』を見るとわかる理由_1
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落ちているゴミを拾うかどうかは、ささやかなことと思うかもしれません。しかし極端な例を言うと、目の前で火事が起こっても、「当事者意識」がない人は、「火事が起こっていますよ」と上司や総務に報告するだけで、目の前で燃えている火を、自分で消そうとはしないのです。