我慢強く見守って、子どもの「自分で立ち上がる力」を育てる
――友だち関係の悩みについて子どもから相談されたとき、親はどうすればいいでしょうか?
もし、お子さんがプリプリ怒って、もしくは、しくしく泣きながら家に帰ってきたら、まずは心配し過ぎずにやさしく話を聞いてあげてください。
「何が嫌だったの?」「どうして悲しかったの?」と尋ね、お子さんの気持ちに耳を傾け、「そうか、こういう気持ちだったのね」と、頷きながら共感してあげてください。
親がじっくり聞いてくれることで、子どもは次第に心を落ち着かせていきます。冷静になったころ、「自分にも悪いところがあったかも」なんてポロッとこぼすこともありますよ。
何かアドバイスをしてあげたいと思っても、お子さんの心の内を全部聞いてからにしましょう。問題を早く解決してあげたいでしょうが、あまり口を出しすぎると、子ども自身の「問題を解決する力」を育てるチャンスを失うかもしれません。
赤ちゃんの頃、ようやく歩き出した子はよく転びましたよね。何度も転びながら、手をついたり、つかまったりして、うまい転び方を学びます。逆に言えば幼いうちに転び方を学んでおかないと、大きくなって転んだとき、大ケガしかねない。
友だちとの関係も同様の積み重ねです。小さなもめごとを一つひとつ乗り越えて、子どもは友だちといい関係を築く方法を学びます。
子どもはちゃんと「乗り越えていく力」を持っています
――最後に、進学・進級を迎える子の親御さんへメッセージをお願いします。
ぜひ、「○○ちゃんと別れて残念ね」ではなく、「新しい友だちと出会えてよかったね」と伝えてあげてください。お子さんが新生活を明るく前向きに楽しめるように、親御さん自身にもそういう気持ちでいてほしいと思います。
「今のままがいい」「変わりたくない」と思っていても、変わってしまえば乗り越えていくだけのたくましさを、子どもはちゃんと持っています。それに子どもは「友だちになろう!」の一言であっという間に仲良くなりますよ。親友になるのもすぐです。そのうち「〇〇ちゃんと友だちになった」と報告してくれるはずですから、楽しみにしていてください。
人間関係がうまくいくための、ぬまっち流メソッドは、『満点ゲットシリーズせいかつプラス ちびまる子ちゃんの友だちづき合い』(キャラクター原作:さくらももこ/監修:沼田晶弘)にたくさん紹介されています。
お子さんが、主人公のちびまる子ちゃんと一緒に悩み考えることで、友だちに自分の気持ちを上手に伝える方法や、困ったときの解決法を学ぶことができる一冊です。