キャメロン・ディアスを見守っていたのは…
ベルリン、ヴェネチアに並ぶ世界三大映画祭のひとつカンヌ国際映画祭。第75回を迎えた今年も5月17日〜28日に開催され、是枝裕和監督『ベイビー・ブローカー』(公開中)が男優賞を受賞し、『PLAN 75』(公開中)の早川千絵監督が新人監督を対象としたカメラ・ドール部門で次点にあたるスペシャル・メンションで特別表彰されたことで、日本でも大きな話題を呼びました。
筆者は第47回(1994)から第64回(48・49回は不参加)まで参加。「ロードショー」の誌面でも第50回からレポートを執筆していました。ただ掲載できたのは記者会見やレッド・カーペットの華やかな演出など、映画祭の表の部分だけ。この機会に取材裏話をちょこっとご紹介します。
まずは2018年に俳優引退を表明したものの、このほど、Netflix制作のアクション・コメディ『Back in Action』(原題)で復帰することが発表されたキャメロン・ディアス。彼女を初めて取材したのはデビュー作『マスク』(1994)のとき。映画はまだ80%ぐらいの完成度だったのですが、プロモーションのために第47回のカンヌにやってきたのでした。
元モデルとは思えぬほど実際の彼女は地味。おまけに手首には包帯を巻いていた。聞けば、その頃受けたオーディションで怪我したとのこと。そう、当時彼女は駆け出しの俳優。オーディションを受けまくっていたのでした。
その後ブレイクしたキャメロンは、『ギャング・オブ・ニューヨーク』(2001)を引っ提げてマーティン・スコセッシ監督、レオナルド・ディカプリオと共に第54回に登場。約20分の特別映像を公式上映するという異例の待遇だったワケですが、注目作とあって記者会見場は超満員。加えて関係者と称する取り巻きも大勢いて、大物の仲間入りをした彼女を眩しく見つめたものです。
と、その”関係者”一団を見つめていたら、一際目立つイケメンが。キャメロンの当時の彼、ジャレット・レトじゃないですか! しかも手にビデオを持っていて、会見の様子を撮影している。キャメロンのお付き? それとも記録係? いや、今にして思えば、のちにカンヌでも女優たちをもてあそんでいたことが発覚し、一大スキャンダルとなった製作総指揮ハーヴェイ・ワインスタインも一緒だったことから、予防線を張るためにジャレットを同行させていたのかも? なんて勘ぐったりして。