夏の就寝スタイルの最適解を梶本先生が指南

――寝るときの恰好は?

夏だからといって下着のみといった裸に近い恰好は良くありません。人間は睡眠中、呼気や皮膚からの蒸発などで200~300cc程度、体の水分を失っています。これを不感蒸泄というのですが、水分を蒸発させることで体温を下げることができるのです。

しかし、汗をかいても水分が蒸発しなければ放熱できません。アラブ人のトーブやインド人のサリーといった暑い国の民族衣装が肌を露出しないのは、素肌より布を挟んだ方が汗を蒸発させやすく放熱がスムーズにできるからです。

脳の快適温度は22~24度。専門家が教える熱帯夜のエアコン設定の最適解_3

――では夏の就寝スタイルの正解は?

まず長袖、長ズボンのパジャマを着る。そして、体が冷えないようにしっかりと掛け布団をかける。室温を脳の快適温度22~24℃に設定した場合、日本人の平均的筋肉量を考えると、夏でも毛布と布団を1枚ずつかけてもいいくらいです。つまり、脳と体の快適温度の乖離を埋めることが重要です。そのうえで、暑くなく寒くない室温が寝室の最適温度と言えます。最適温度は人によって違いますが、平均的日本人では、男性で24~25℃、女性なら25~26℃くらいとされています。

――ありがとうございました!



結論、夏の夜はエアコンを惜しむべきではない。まだまだ暑い時期は続く。これを読んで、自律神経に優しい睡眠環境を作ることを意識してみてほしい!