紙の本に負けないウィキペディア
「ウィキペディア(以下「ウィキ」)はアテにならない。いい加減な情報ばかりで見る価値がない」
そう言って最初から信用しない人がいる。そういう人は、ネット黎明期の価値観をいまだに引きずっている「時代遅れ」だ。ネットに触れてきた時間の長さに関してはベテランだが、ベテランゆえに今の時代に対応できているとはいえない。価値観をアップデートしないと、現状に無頓着な、頭の固い人と言われるはずだ。
断言しよう。ウィキペディアは、現時点で「最強の学習ツール」だ。
ウィキはなぜ価値があるのか。
詳述するが、基本的に1人の著者が書く本に対し、ウィキは複数人で書く。1人対複数人、個人対組織。すべて後者が勝るとは言わないが、総じて組織で戦うほうが優勢であるのは言うまでもない。日本版ウィキの編集に関わる人は、一説には5万人程度で、1つの事柄について100人がかりでチェックしていると言われる(管理者数は約40人)。
誤字脱字はもちろん、内容そのものが随時アップデートされる。しかも情報の出所となる文献・出典を明らかにしており、引用元が明示されている。論文を書く際には、調査などのデータや参考文献を正確に明示しなければならないが、ウィキはその点、新聞記事よりもしっかりしている。