ググることで歴史の隠ぺいも防止できる

中国の共産党支配体制がひっくり返るとは考えにくく、システム的にそのような事件は意外と起こらない。1989年に民主化を求めて「天安門事件」が起こったが、あれだけの大きな騒ぎも、結局、今では何もなかったかのようである。

騒いでいるのは欧米を中心とした先進国で、若い中国人は「タンクマン(戦車男)」の存在すら知らない。

タンクマンとは、この事件の際、天安門広場に通ずる長安大街の路上で撮影された映像に登場する、戦車の行く手を遮る男性のことである。知らない人はググってみて、どれでもいいから動画を見てほしい。天安門事件の実態の一端がわかるはずである。

中国では、天安門事件に関するキーワード検索はしばしば禁止されている。だが、世界中でググり続けられることで、歴史から葬られなくてすむ。

われわれに課された使命は大きい。

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