避けたいのは“M-1のM流れ”だけ

――一方で中谷さんは、芸人として野心みたいなものはありますか?

中谷 僕も野心まではないですね。ある程度お仕事をいただけて、このままやっていけたら嬉しいですね。野心というか、今いろいろ充実している中で、「M-1」だけは結果が出ないとか、河童の川流れのような状態だけにはならないようにしたいなと。

阪本 河童の川流れ? それも使い方合ってる?

中谷 えっ! ほら、俺ら一応漫才師としてやってるのに、本業だけうまくいかないとかイヤやん。「M-1のM流れ」だけにはならないように。

阪本 M-1のM流れ……?

――見出しにしておきます(笑)。そういう課外活動への考えかたも含めて、ベースとしては楽しくやっていくというのがマユリカさんのスタンスなのかもしれないですね。そのふたりのズレのなさやある意味でのゆるさが、世間的にマユリカの評価としてある「仲の良さ」にも繋がっているような気がします。

阪本 どうなんですかね……僕らが仲良いというか、他のコンビが特殊なんじゃないですか。
中谷 それはそうやな。

阪本 僕らは3歳から一緒におるんで。逆に他のコンビは、NSCとかで「一緒にコンビを組もう」というところからはじまっている人たちが多いから、「ご飯に一緒に行くのも恥ずかしい」とか言ってますけど。

中谷 友達からはじまったその関係性が、芸人になってもずーっと続いて今まで来た感じですね。

阪本 僕らは30年近く、一緒にいるので。これが普通ですね。

相方である前に友達――その絆とユルさが生むマユリカの行き当たりばったりの笑い_7
相方である前に友達――その絆とユルさが生むマユリカの行き当たりばったりの笑い_8

(了)

撮影 飯本貴子
取材・文 森樹

(前編はこちら)