胸キュンシーン⑤:登場人物全員が“素直で良いやつ”
もはや特定のシーンではないのだが、この作品の魅力を語る上で伝えたいのは「登場人物全員が素直で良いやつ」だということ。
鈴木が晴れて谷くんとの交際がスタートした際に、鈴木の友人たちは鈴木と谷くんの“正反対”同士の交際について口を出さなかった。
谷くんが自分と交際することで「鈴木さんのイメージが下がったりしたら嫌だ」との言葉にも、鈴木の友人・山田は「イメージ下がるほど鈴木って上にいんの?」と一蹴り。
また、鈴木と同じように周囲の目や評価を気にしていた平も、谷くんを見る鈴木の姿や、その選択に口出ししない周囲の姿を見て、自分の考えを改め直すなど、それぞれのキャラクターがとにかく素直なのだ。
他人の評価で構築されるような、学校生活にありがちな“スクールカースト”。そこに囚われることなく、1人1人の選択や気持ちを尊重し、成長していくキャラクターたちは、周囲の目や評価が気になってしまいがちな自分自身を見つめ直すきっかけをくれる。
“尊さ”爆発の胸キュンラブコメディ
素直で可愛いキャラクターたちの恋愛模様は、不器用ながらもいじらしく、応援せずにはいられない。
正反対な鈴木と谷くんが、そのギャップを埋めようとするのではなく、相手を理解しようと考えて行動する姿は、ありのままの自分を大切にしながら、相手に歩み寄ることの大切さを教えてくれる。
登場人物、全員がチャーミングなため“誰かを嫌いにならずにいられる”ストーリーな点も、本作の魅力の1つと言えるだろう。
思わずクスッと笑ってしまうようなラブコメディならではのおもしろさもある本作。読切作品から、連載となり、そこからさらに勢いが止まらない“正反対”な2人の恋は、今後も目が離せない。
©阿賀沢紅茶/集英社
作品情報
正反対な君と僕
阿賀沢紅茶
「少年ジャンプ+」にて配信中
https://shonenjumpplus.com/episode/3269754496899770338
7月4日には単行本1巻が発売! 作品情報はこちら へ
文/瑞姫