お蕎麦屋さんでシウマイ

そして、町おこしの決め手となるのがもちろん、冒頭で紹介した「笑福シウマイ」のような地元飲食店によるオリジナル・シウマイの販売である。崎陽軒に相談したところ、快くシウマイに関する研修を行ってくれて、商品開発担当者がシウマイのうま味に対する考え方や、シウマイの握り方、作り方などを地元飲食店の人たちに伝授した。

創業50年以上を誇る「そば割烹 日晃」で働く小倉真紀さんは、商工会議所から「シウマイ作り」を依頼されたときには、

「正直言うと、『え、シウマイ?』って思いましたね」

と、そのときの様子を思い出して苦笑する。シウマイを蒸すせいろなどの道具を新たに買いそろえる必要があったし、調理場のオペレーションも変更しなくてはならない。それでも、町のためになればと、スタッフ皆で企画を出し合いながらメニュー開発に努めた。

試行錯誤ののち、できたのが「そばの実海老シウマイ」だ。一口で食べるのが難しいほどのボリューム。溢れんばかりに詰まったそばの実は風味が良く、大きめの海老はプリプリの食感。お酒のつまみとして最適で、ビールにも日本酒にも合いそうだ。

栃木は餃子だけじゃない! 町おこしに賭けるシウマイの味_6
そば割烹 日晃の「そばの実海老シウマイ」(5個入りで税込650円)

最近はリピーターもついてきた。「鹿沼といえばシウマイだよね、というお客さまの会話もよく耳にするようになりました」と、小倉さんも嬉しそう。