「ひとり時間」を長くしない
このご時世、終日ひとり時間を余儀なくされることもあるでしょう。しかし、3日間誰とも直接話をしていない状態は、なるべく避けましょう。
ネットで買い物をしたりオンラインで仕事をしたり、1日中外に出なくても問題ないという人が昨今増えています。家で過ごす時間が増えると、人と直接接する機会は減ります。しかし実際に顔を合わせ会話をすることは、実は人の脳にとってとても重要な意味をもっています。
人が考えや気持ちを相手に伝えられるのは、脳のA10神経群を介して互いに同期発火(左図参照)を起こすからです。さらに思考や感情をポジティブに共有すれば自己報酬神経群が同期発火し、脳の機能を活性化します。「楽しい」「すごい」などの気持ちが生まれ、深いコミュニケーションが可能になります。
ふだん、仕事で人と会ったり、あるいは友人、知人と会って楽しい会話をしているという人の脳は、他人と同期発火する機会が多いため、それによって思考力や記憶力が高められているはずです。ですから、人と会って話をする機会が少ないという状況は、脳にとっては非常によくないことなのです。スマホを見ていると、ついついひとりで過ごす時間が増えます。
SNSなどで人とつながっている人は多いでしょう。でも、面と向かって相手とコミュニケーションをすることと、オンライン上でのそれとでは、会話の質も深さもまったく違います。
スマホなどに依存して「ひとり時間」を増やすことは脳の機能を低下させる要因にもなりうるので、人と会って話す機会をできるだけつくるようにしましょう。