教育現場でのミスに対する“自腹圧力”「今でさえ教員のなり手が少ないのに」

市教委は11月2日に記者会見を開く前、市議会の全員協議会で議員らに会見と同様の内容を伝えている。だが市議会がそれを聞いて納得した空気はない。

ある市議は「なぜ十年以上そうしたことが続いたのか。なぜ校長が“加担”したのか。十分な説明はなされていない」と話し、次の定例議会で解明作業を本格化させなければならないと指摘する。

別の市議はさらに厳しく、「額といい、長期間続いた状況といい、理解できない。市教委は何かを隠し、嘘を言っているのではないか。議会で追及するつもりだ」と話す。

市教委は「徴収金の着服はない」と説明しているが、未収が本当にあったのかなかったのかも記録では確認できない状態だ。現状では5400万円のうちA氏本人が弁済したのは2000万円だけで、B校長が残り3400万円を穴埋めする形になっている。

(写真/PhotoAC)
(写真/PhotoAC)
すべての画像を見る

そしてそのA氏は「所在はわかっていますが、ある時期から連絡を受けなくなり、調査に応じてもらえない」(市関係者)というのだ。

B校長の負担についてC教諭は「プールの水を出しっぱなしにして発生した水道代を教諭や校長に求めるなど、教育現場でのミスに対する“自腹圧力”は最近強まっていて、こうした支払いに備えた教員向けの保険もあるほどです。

でも、減給などの処分ならわかりますが、『自腹で補填』という前例をつくれば今でさえ教員のなり手が少ないのに、さらにそこに影響しないか心配です」と話す。

A氏が主張する怠慢が原因で収入不足が生じたことが事実だとしても、徴収金の支払いをしない保護者が見逃されたことは、公平性に大きな問題があったことになる。

2012年からの14年間に何があったのか、徹底的な解明が必要だろう。

※「集英社オンライン」では、今回の記事に関連する情報を募集しています。下記のメールアドレスかX(旧Twitter)まで情報をお寄せください。

メールアドレス:
shueisha.online.news@gmail.com

X(旧Twitter)
@shuon_news

取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班