約1500人が解雇されたとの訴え…真面目に働いてきた職員にも打撃

今回の問題で見過ごせないのが、福祉サービスを利用してきた障害者と、現場で働いてきた職員たちへの影響だ。

大阪市から指定取消処分を受けた4事業所を含め、対象となった運営法人のA型事業所は4月末までに閉鎖された。

7月17日には、元利用者や職員ら12人が、グループ企業と新旧役員らを相手取り、解雇の無効や計約5200万円の損害賠償などを求めて大阪地裁に提訴。訴状などによると、原告側はA型事業所の閉鎖に伴い、利用者や職員ら約1500人が一斉に解雇されたと主張している。

また原告側は、事業所側が解雇を回避するための十分な努力をせず、配置転換なども検討しなかったと訴えている。

利用者だけでなく、現場職員にも広がる影響(※写真はイメージです)
利用者だけでなく、現場職員にも広がる影響(※写真はイメージです)
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一方、今回の破産によって、グループのすべての福祉サービスが停止するわけではない。

破産管財人の野上昌樹弁護士は11月2日、障害児通所支援事業などについて、別の事業者への承継が完了するまで運営を続ける方針を発表した。

グループは9月30日、大阪府和泉市の有限会社ティー・エヌ・プランをスポンサーとして、同社または同社が設立する会社に事業を譲渡する内容のスポンサー契約を締結した。大阪地裁からも破産手続き開始後の事業継続を許可されており、当面は破産管財人のもとで運営が続けられる。

ただし、すでに閉鎖されたA型事業所の元利用者については、別の問題が残る。

厚生労働省は大阪府内のハローワークに特別相談窓口を設けるなど、再就職支援に向けた対応を進めてきた。しかし、元利用者が現在どれほど再就職できているのかについては、公表されている資料だけでは全体像が見えてこない。

前出の関係者は、利用者だけでなく、現場で働いてきた職員にも目を向ける必要があると指摘する。

「会社側は4月の声明で、利用者や現場職員が不正に関与した事実はないと説明しています。今回の不正請求の認定と、現場で働いていた職員一人ひとりの責任は分けて考える必要があります。事業所には、障害のある人たちの仕事を支え、日々の相談に乗ってきた職員もいたはずです。

経営上の問題によって、そうした人たちまで職場を失うことになれば、影響は小さくありません。利用者の再就職支援はもちろん、職員の雇用や生活をどう支えていくのかも重要な課題です」

就労支援事業所は、障害者にとって収入を得る場所であると同時に、社会とのつながりや日々の生活を支える場でもある。

また、職員にとっても、積み重ねてきた支援の経験や利用者との信頼関係は、簡単に別の場所へ移せるものではない。

負債289億円という数字の陰には、働く場所を失った利用者だけでなく、現場で支援を続けてきた職員たちの生活もある。

障害者の自立を支えるための制度が、なぜこれほど大規模な不正請求の認定につながったのか。経営破綻の後始末とともに、利用者と職員双方の暮らしをどう守るのかが問われている。

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取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班