調和とバランス重視のIT社長
SNS「mixi」で一世を風靡したMIXI社(旧:ミクシィ)は、SNS事業が下火となっていた2013年秋に「モンスターストライク」(モンスト)をリリース。わずか1年ほどで国内スマホゲームのトップタイトルに急成長させ、現在まで国内屈指のITエンターテインメント企業として確固たる地位を確立している。
「モンスト」を立ち上げから手がけたゲームプロデューサーとして手腕を発揮した木村氏は2018年に社長へ就任。国内外の事業環境が目まぐるしく変化する中、難しい舵取りを任されてきた。
「社長職は自ら手を上げるかたちでお引き受けしたところがあるんです。私は社内外にあまり敵をつくらないタイプで、ズバズバ厳しいことも言うほうですが、あまり後腐れなく人付き合いできる性格。
少なくともそれが自分の特性だと個人的に思っているので、当時ゴタついていた社内の調和を上手に図っていきたいと考えていました」(木村弘毅、以下同)
木村氏の社長就任のタイミングは「チケットキャンプ」サービス終了の直後。「チケットキャンプ」はMIXIの完全子会社(当時)が運営していたチケットの二次流通サービスで、急用で行けなくなった興行チケットを定価以下で譲り合うことをコンセプトに、日本最大級の規模を誇った。
しかし、高額転売の問題が世間の耳目を当時集め始めていたなか、同サービスでもチケットの一部が高額化。一方で「チケットキャンプ」上の取引の大半は適切な価格帯だったことから、サービス終了に対してはさまざまな意見が社内でも飛び交い、その混乱がしばらく尾を引いていたという。
「ある事業のアクセルを踏むか、ブレーキをかけるか。近年は米国のAI開発でも似たような議論がありますが、それぞれの考えに正義があるし、どちらが正解ということもない。おそらく一番大切なことは、日々いろんなせめぎ合いや葛藤が起きる社内をうまく調和させながら取りまとめていくこと。
私は会社員からの叩き上げで、現場のプレイヤーだった頃は積極的にリスクをとるタイプでしたが、どちらかというと経営者としてはバランス重視かもしれません」










