ロケットナウ側の見解は?

こうした配達員の指摘について、ロケットナウ側はどう認識しているのか。

集英社オンライン編集部は同社に対し、配達員の顔認証の実施状況や導入予定、アカウントの貸し借りを防止する対策、GPSなどを活用した速度検知システムの有無、違法モペットへの対応などを具体的に質問した。

さらに、配達依頼の受託率と報酬の関係、連続稼働時間の制限についても回答を求めた。

これに対し、ロケットナウ側からは以下の回答があった。

「ロケットナウは、配達パートナーの安全確保に向けた取り組みの一環として、すべての法令を遵守しています。日本のすべての配達パートナーに対し、必要な登録、免許、保険など、道路運送車両法、道路交通法その他の関係法令・基準を満たした車両を使用することを求めています。

違法なモペットを含め、これらの要件を満たさない車両の使用は認めていません。配達パートナーが違法な車両、またはロケットナウに登録されていない車両を使用していることが確認された場合、当該配達パートナーによるプラットフォームの利用を直ちに停止します。

また、配達パートナーを対象としたボーナスプログラムを設けており、配達パートナーは、基本報酬に加えて、配達業務の実績に応じて各種ボーナスを受け取ることができます」

「ロケットナウ」の加盟店が貼るステッカー
「ロケットナウ」の加盟店が貼るステッカー

同社は違法車両の使用を認めず、確認された場合は直ちに利用停止にすると説明した。しかし、編集部が具体的に尋ねた顔認証の実施状況や導入予定時期、GPSなどを活用した速度検知の仕組み、連続稼働時間の制限については明確な回答がなかった。受託率と報酬の関係についても、ボーナスプログラムの存在を説明するにとどまった。

一方、ロケットナウは10月15日、配達中に自撮り写真を使って本人確認を行うシステム「IVS」について、導入に向けた開発やテストを進めていると説明している。同社では登録時に本人確認書類や顔写真などを提出する仕組みがあるものの、配達中に登録者本人であることを確認するシステムについては、同日時点で本格運用には至っていないとみられる。

前出の配達員は、こうした現状に不満を漏らす。

「ロケットナウは今回のわいせつ事件を受けて顔認証を導入すると言っていますが、まだ時間はかかるでしょう。違法モペットを使っている人たちは、それまでに最後っ屁をかまそうと必死に働くのではないでしょうか。法令を守ってバイクで配達している人よりも違法モペットを使っている人の方が稼いでいるわけで、真面目にやっている側が損をしていて、たまったもんじゃありません」

配達員の本人確認や使用車両の管理など、急速に普及するフードデリバリーサービスの安全対策が改めて問われている。

モペットにのる配達員の多くが、不正を隠すためアームカバーをつけているという(撮影/集英社オンライン)
モペットにのる配達員の多くが、不正を隠すためアームカバーをつけているという(撮影/集英社オンライン)
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取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班