「味を守るためだった」店側が語る中国産使用の背景
「土井活鰻」は京都市の伏見稲荷と祇園に直営2店舗を構え、ほかにも関連会社が金閣寺や嵐山で店舗を展開している。もともとは100年以上前に創業された川魚卸で、逮捕された男性が3代目となって事業を引き継いだ後、いったん閉業し、2018年にウナギ料理店を始めた。
「超がつく高級店ではないけど、京都では名前はよう知られている」と京都人が話す土井活鰻のウナギは、昨年、伏見稲荷で行なわれた将棋の王将戦で「勝負飯」として供されたこともある。
「うなぎ好きで有名な芸能人も土井活鰻を絶賛する動画を上げていました。今回の逮捕が報じられて、その動画が非公開になっています」とネットメディア記者は話す。
経営者の逮捕容疑は2025年7月、京都市伏見区の伏見稲荷店で、メニュー表に「全国でも有数のウナギの産地である愛知県一色町から、厳選して仕入れております」と表示しながら、中国産のウナギを提供したとされるものだ。またオンラインショップでも同様の売り文句で中国産のかば焼きなどを販売していたとされる。
「2025年3月に情報が京都府警にもたらされ、府警は今年2月に店舗を家宅捜索するなど捜査を続けていました」と地元記者。地元メディアによると、京都府警は2025年の直営店の売り上げ約2億2300万円のうち99%超の約2億2220万円分は中国産ウナギの売り上げだったとみて調べている。
だが、男性経営者は逮捕時、「表示内容について、私は産地偽装とは思っておりません」と容疑を否認したという。
では、店側は容疑のどの点を争うのか。22日に伏見稲荷店を訪ねると、逮捕された男性に代わって店を切り盛りする親族のAさんと女将が取材に応じた。
2人は中国産を使っていたことを否定せず、今後経営者と相談した上でホームページなどで「謝罪をしたい」と話し、宣伝に問題があったことを認めた。一方、中国産を使うこと自体には理由があったと説明する。
「うちのウナギは国産も中国産も、愛知三河の古くから付き合いのある老舗の卸の店から仕入れていました。国産は夏が美味しく、冬になると皮がかたくなって味が落ちます。そういうときは安定的に入ってくる中国産のものを取り扱っていました。
中国産ウナギは安いと言われていて、確かにピンキリではあります。でもうちは、大きくて肉厚のものにこだわってきました。価格には変動がありますが、この大きさになると中国産と国産に価格差はなく中国産の方が高いときまであります。中国産を使ったのは利益を出すためではなく品質を保つためです。
中国産は輸入時に厳しい検疫を経ているので安全性の問題もありません。
そういうことで利益目的の詐欺や産地偽装ではないと考えており、(経営者と)警察の意見が食い違っているのだと思います」(Aさん)
だが、逮捕容疑は昨年7月1日と8日に店内メニューに「愛知県一色町」と表示してウナギを販売したことだ。冬ではない。
また、愛知県は三河一色産ウナギについて、現在は養殖環境を安定させることで年間を通じておいしく食べられるとしている。













