大事なことにYES、些末なことにはNO
幸運なことに、私はこれまでの社会人生活の大半を、自分の価値を認められて尊重される場所で働いてきた。けれど残念ながら多くの企業は、社員に対して罪悪感の罠を仕掛けて、戦略的に社畜を作り出そうとする――「必死に働け、遅くまで働け、家族や恋人に会う時間があると思うな、文句を言うな、組合を結成するな、そうすればおまえもいつかは出世して、苦労が報われる」。
最近では「静かな退職」が広がっていると言われるけれど、そうなるのも無理はない。滅私奉公を強制する風潮には、確かに社会として解決策が必要だ。けれど、この本を読んでいるあなたとって、勤務時間をただ義務的にやり過ごすだけの働き方は解決策になるだろうか。そんなのは魂を殺す選択に近い。
昔は、会社という組織で上司になったら秘書がつくもので、その秘書が雑用を引き受けて、上司の時間やエネルギーや注意力が浪費されないよう守っていた。現代の私たちは、自分で自分を守るために、〈自分勝手〉にならなくてはいけない。消極的に守るのではなく、アグレッシブに守っていくべきだ。自分の予定、自分のTODOリストの番犬になって、邪魔が入りそうなら吠えついて追い払うのだ。
あなたもきっと気づいているはずだ。なんでもかんでも引き受けていると、責任が増え
るばかりで、裁量の範囲は広がらない。雑用だけで大きな仕事をしていない人間が、上にのぼっていくことはない。パシリになってはいけない。
些末なことを断るのはリスキーに思えるかもしれないけれど、反抗的だと思われるとか、怠けていると思われるとか、そんなことを心配する必要はない。むしろ、チームにとって大事な仕事をしているとわかってもらうためにも、あなたは断る必要がある。













