一番の問題は安心安全

――今後出てくるクラブ地域クラブの課題はどんな風にあの考えておられますか?

内田 部活の時代から先送りにされていて、この課題だけは残るというものがあります。安心安全の問題ですね。特に指導者による性的な加害も含めての暴力・暴言の解消。これをどういう風に考えていくのか。

今もいろんな問題が報じられていますが、それでも学校の部活の場合は行政によるコントロールがまだ効いている、それがなくなっていくわけです。

塾の指導者、保育士、民間のクラブでも何でもそうなんだけど、子供に関わる人全般に対する社会的な法制度の整備が不十分です。性暴力については、「こども性暴力防止法」が12 月から施行されます。

認定事業者は、子どもと接する者について、過去の性犯罪歴を確認せねばなりません。これもう少し広くして、性暴力以外の暴力も射程に入れた法制度の整備を求めたいです。民間のクラブはそれぞれのクラブでいろんな規定はありますが、統一するものはまだありません。

教員は良くも悪くも教育委員会という行政の下に置かれていたので、ガバナンスも効いていましたが、それが地域では外れる。これまでも民間クラブや塾で、指導者の不適切な関わりがあった。それを反省し、地域移行を機に社会全体で子どもを守る仕組みをつくる必要があります。

今後出てくるであろうクラブ地域クラブの課題…特に指導者による性的な加害も含めての暴力・暴言をどう解消していくか。学校の部活の場合は行政によるコントロールが、それでもまだ効いていたが…
今後出てくるであろうクラブ地域クラブの課題…特に指導者による性的な加害も含めての暴力・暴言をどう解消していくか。学校の部活の場合は行政によるコントロールが、それでもまだ効いていたが…
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――それについては各国内競技連盟、いわゆるNFが指針を示して導くことになっていくでしょうし、そうしないといけないですね。すでにJFAはパワハラなどについての明確なガバナンスコードを打ち出しています。

神戸については、兵庫県サッカー協会が管轄になりますね。これまでの中学の部活をすべて否定するわけではなく、良きシナジーは追及することも重要ではないかと思います。

内田 そうですね。教員の中に部活をやりたくて教員になった人というのが、2割くらいいるんです。自分がやってきた種目、陸上、水泳、野球やサッカー、バスケットなどで監督をやりたいから教員免許取ったという教員にとっては、今後も活動を続けたい気持ちがある。そうした、子どもの教育をアップデートしてきた教員に、地域移行後も活躍してもらえるとよいと思います。

それならそれはもう地域移行せずに学校でそれを受け入れる制度化もありうると思います。学校の働き方改革を進めて、やれる教員を活用するということは当然必要な発想で、例えば熊本市はそれをやっています。

スポーツにしても文化活動にしても、やはりそれが放課後あるいは休日に子供たちの大事な活動の拠点になることは間違いがないわけで、それがなくなるっていうことは回避すべきです。その時にどこだったらどう残せるかということです。私は、地域移行というのは全国的な答えとしてはそれが大きな答えだとは思っています。

取材・文/木村元彦