「媚びる」笑いを全力でやることの気持ちよさ

──ケムリさん、絵本発売後の反響はいかがですか?

ケムリ SNSで「子どもがめっちゃ笑ってました」という声をいただくのが嬉しいですね。子どもを笑わせるって、大人を笑わせるよりも格別なものがあるじゃないですか。

石田 ああ、わかるよ。格別。

ケムリ 大人を笑わせるのはこっちも好きでやってることだし、自分と相手との勝負でもある。でも、子どもを笑わせるのってサービス精神込みでやってる部分が大きいから、100%いいことをしている気持ちになれる。

石田 子ども相手なら、媚びれるもんな。

ケムリ ああ、まさに!

石田 お笑いをやってると、媚びるのは悪いことと思われがちなんですよ。特に吉本には風紀委員がいて、そういう人から白い目で見られる。

3児の父として子育てに奮闘する石田さん。朝一開始だった取材の当日も夏休み中の子どもに朝4時に子どもに起こされて遊んでいたという(写真/本人提供)
3児の父として子育てに奮闘する石田さん。朝一開始だった取材の当日も夏休み中の子どもに朝4時に子どもに起こされて遊んでいたという(写真/本人提供)

──例えば、どんな方ですか?

石田 それはお察しください(笑)。各世代にいるんです。

ケムリ たくさんいますよ。

石田 でも子ども向けのものなら、いちばん安易なやつを、顔もワードも全力マシマシでやれる。いつもなら思いついてもまず候補から外すようなことを。

ケムリ 普段あまりにやらないことだから、芸人の中にはもう変な癖がついちゃって、できない人もいるかもしれないです。

石田 やっぱり全力でまっすぐ笑わすって、恥ずかしいんですよ。僕も昔はそうやった。でも子どもができてから一皮むけた気がしますね。子どもの力って偉大やなと思います。昔を振り返るとちょっとカッコつけてたし、言葉に頼ってたなと思いますもん。

最近、海外で仕事をすることがあるんですけど、子どもたちを笑かすのに似てるなと思うことありますよ。

ケムリ 言葉以外で伝えるってことですね。

石田 そうそう。英語がしゃべれないから、表情や音、身振り手振りでまっすぐ全力で笑かそうとする感じが。