床暖房は勝ち組、食洗機は信用できない
で、引っ越してから約3年。
今は「マンションを買ってよかった」と心から思っています。
広さは1.5倍になり、人生初の床暖房も経験。
最初は「電気代が死ぬほどかかる」という情報を耳にして使わないようにしていた床暖房だけど、その快適さを知ってしまったらもうアウト。
冬場は朝起きてすぐに床暖房のスイッチをオン。
「足元から温まるって勝ち組だよな」と思いながらコーヒーを飲んでいますからね。
マンションのランクが上がったおかげで、今の部屋には他にも様々な機能が。
ただ、そこに住む私という人間のランクは変わらないまま、ずっと貧乏性のままだから、その便利な機能を上手く使いこなすことができなくて。
台所のシンクについているディスポーザーなるものも、いまだに意味がわからなくて使えないし。
食洗機も信用できないから、今も頑なに人間の手で食器を洗い続けていますからね。
マンションを買ってからの変化といえば、部屋が広くなったぶん、人を呼べるようになったことなのかな。
その来客は「大久保さんの家で飲もうよ」って、主に島崎和歌子さんが連れてくるんですけど。
ありがたいことに、みんな「居心地が良い」とくつろいでくれてね。
まあ、それも主に島崎和歌子さんなんですけど。
「帰りたくない」と騒ぐのもまた主に島崎和歌子さんでね。
あの手この手で和歌子さんをなんとか追い出すっていうのが、最近の恒例行事になっております。
自分でも「買ってよかった」と思うけど、周りからも「買ってよかったね」とやたら言われる。
で、そう言ってくれる人のほとんどが口にするのが「良いタイミングで買いましたね」という言葉で。
ここのところ都内のマンション価格が暴騰。
私はその直前に買うことができたし、金利が上がる前に固定金利でローンを組んだから。
どうやら、かなり得をしているらしいんだよね。
人との縁で良物件に巡り合い、さらには良いタイミングで購入することができた私は、ある意味強運なのかもしれない。
このあいだ、そんな話をしていたら、「虫の恩返しかもしれませんね」と言われた。
確かに、幼い頃から道端で死んでいる虫を土に還したり、ひっくり返っているセミを救出したり。
この間も、アスファルトの上で息たえていたカナブンを埋葬したばかり。
今まで積み重ねてきた徳が良縁を運んできてくれたのかもしれない。
でも、なぜそれが、恋愛でもなく、結婚でもなく、マンションだったのか……。
その答えを探しながら、今後も、謙虚に、虫の救済活動を続けていきたいと思います(合掌)。
聞き手・構成/石井美輪 イラスト/中村桃子 撮影/露木聡子













