「常識」と言われると、まず疑いたくなる
――そうした考え方は、子どもの頃からのものだったのでしょうか。
星野 学校の先生には、よく「天邪鬼だ」と言われていました(笑)。昔から「これが常識です」と言われると、「本当にそうなんだろうか」と思ってしまうんです。
――反骨心とは違う?
星野 少し違いますね。常識を疑うというか、なにかこう一般的に信じられていることに対して、「そんなはずはないでしょう」というところから考え始める。そして、「なぜ違うと思うのか」を、自分なりに論理で説明しようとするんです。
――だから理論を学ぶ、と。
星野 そういう部分もあります。感覚だけでは、人を説得できません。自分の考えを説明するには、理論というほどじゃないかもしれないですけど、理屈は必要になります。
「人と違うほうが、安全だと思っています」
――星野さんは「人と違う見方をする」ことを、以前から大切にされてきました。
星野 そうですね。よく「リスクを取る経営ですね」と言われるんですが、自分では逆なんです。むしろ、人と同じことをするほうが危ないと思っています。
ホテルや旅館は、一度つくれば15年、20年という長い時間をかけて投資を回収していかなければならない。その間、お客様に選ばれ続けるには、他と同じでは埋もれてしまいます。
だから私は、「どうすれば違いをつくれるか」をいつも考えています。人と違うことは、私にとって挑戦ではなく、長期的に生き残るための安全策なんです。
――世間では「横並び」が安心だと考える人も少なくありません。
星野 もちろん短期的にはそう見えることもあります。でも、競争という視点で考えれば、同じ商品、同じサービスを提供している会社が増えれば増えるほど、競争を勝ち抜くのは厳しくなる。
だからこそ、競争しなくて済む場所を探す。そのための差別化なんです。私は昔から、その発想で経営してきました。














