「絶対言うなよ」メールに残された証拠…
塾の前後を監視すると、娘が学校の友達たちに何かやられていることは遠目にもすぐにわかったという。さらに決定的な出来事が起きた。
「コンビニに入ったと思ったらコスメを万引きしたんです。やるな、というのはすぐにわかっていたので、僕も店内に入っていって、その子が店を出る前に『ダメだよ』って言って商品を落とさせた。警察だと思ったのか、友達もみんな走って逃げ出したんです」
依頼者である父親にコンビニでの一件を告げ、『娘と直接話させてくれ』と阿部さんが頼むと、父親も了承した。阿部さんは塾の前後の様子の映像も撮っていると娘に告げると、娘が本当のことを話し始めたという。
「万引きしないと仲間にしないとか無視をされるという話でした。停学の際の万引きは『自分だけがトロくて捕まった』と言いながら、その後に来たメールも見せてくれました。『絶対言うなよ』とか書かれていたんです。ただ、それだけだと証明まではできないな、と。
そこで、その子に協力してもらって、万引きさせられたとわかる証言を再度録音するしかないと思いました。ICレコーダーをスカートの後ろにマジックテープで貼り付けてもらって録音してきてもらったんです。塾の前後の映像もあるし、録音もある。それらを父親に渡し『お父さんにあとはお任せします』と。当時の探偵の領域はそこまで。その先は結局、学校次第なんですよ」
被害者や加害者から聞き取り調査はできても、学校にはこうした証拠収集までは難しい。阿部さんは「これはビジネスになる」と思い、大々的にいじめ調査を打ち出していった。当初は40万円~60万円で仕事を受け、人脈も広がり、他の調査も増加した。会社も大きくなっていった。
しかし、あるきっかけから、阿部さんはいじめ調査を“無償”で受ける決意をすることになる。
後編では、この決意の裏側と最近のいじめの状況を語ってもらった。
取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班













