漫才と絵本…“笑い”の違いは?

――絵本『ちがうちがう』のアイデアはどのようにして生まれたのですか?

松井ケムリ(以下、同) 「ツッコミを軸とした絵本を描きたい」っていう考えがまず先にあって、そのうえでボケを考えました。子どもが絵本を読むうえで、どうやったら自然にボケを創造できるか考えたとき、「神様が作った世界に子どもが入ったらいいんじゃないか」って思い至って作りました。

描き下ろしの絵本『ちがうちがう』を刊行した松井ケムリさん
描き下ろしの絵本『ちがうちがう』を刊行した松井ケムリさん
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――少年・ただしくんのテンポのいいツッコミに思わず笑ってしまう内容でしたが、漫才と絵本では、笑いを作る工程はどう違いましたか?

全然違いますね。漫才は、ボケを言ったあとにコンマ数秒の間があって、ツッコミが入る。お客さんはボケを完全に理解する前にツッコミを聞くことで、「そういうことか」とボケの理解が促されて、笑いが増幅する。でも絵本は、絵を見ながら自分のペースで読めるんで、ボケを自分だけで理解できる。その笑いの生まれ方が、漫才とは明確に違いますね。

――それでも今回、あえて“ツッコミ役”を登場させたのは?

この絵本はツッコミで笑ってほしいわけではないんです。ツッコミはあくまで楽しみ方の一つであって、笑いの本質はボケそのものにあると思っています。本来、絵本にはツッコミって必要ないんですけど、それでもあえて入れたのは、自分にとって一つの挑戦でもありました。