Z世代の約6割が「人前で褒められたくない」
若者研究機関SHIBUYA109lab.の調査では、Z世代の約6割が「人前で褒められたくない」と答えている。
求められているのは、人前で大げさに褒めることではない。相手の努力や行動の背景まで理解したうえで、自然に声をかけ、承認することである。
その場の言動だけを見て周囲の前で褒めても、「何も分かっていない」と受け止められ、かえって信頼を損なうこともある。
理想の上司の本質は、「相手の言動の背景まで見極め、その貢献を承認すること」にある。もちろん、森保氏が全選手を四六時中見ているわけではない。重要なのは、まず「何を評価するのか」という基準を明確にすることだ。
仕事に本当に必要な成果やスキルを整理したうえで、その社員が何を大切にし、どこで力を発揮するのかを見る。森保氏が「選手はロボットではない」と語るのも、一人ひとりの特性を理解しなければ、チームへの貢献も正しく評価できないからである。
ここで重要なのは、組織のパフォーマンス向上や中長期的な成果につながる貢献まで言語化できるかどうかだ。「目に見えにくい貢献」を言葉にして評価する力は、チームワークが重視される組織ほど大きな意味を持つ。
何を見るべきかがわかれば、分担できる
例えば、新しいプロジェクトで他部署との連携ミスを防ぐため、議事録に経緯や意図まで丁寧に記録している社員がいるとする。
これを単に「仕事が丁寧だ」と評価するだけでは十分ではない。なぜその行動が組織に貢献しているのか、その背景や理由まで理解したうえで評価できているかが重要だ。同じ行動でも、その意味や価値を説明できるかどうかで、評価の質は大きく変わる。
また、「何を見るべきか」が明確になれば、観察を一人で抱え込む必要はない。森保氏が分析スタッフやコーチ陣の情報を判断材料にしているように、職場でもチームで情報を集めることができる。
そのうえで、マネージャー自身が具体的な言葉で承認する。その一言が、「見てもらえている」という実感につながる。
最後に、最も重要な要素として、森保氏は自らを「責任を取る役」と位置づけている。













