広角に打つ佐藤、引っ張る森下 対照的な2人の完成形
また、両者の「打球方向」を見ると、興味深い結果も導き出せる。佐藤は今季、ライト方向に35.5%、センター方向に24.4%、レフト方向に33.9%と、広角にまんべんなく打ち分けているのが分かる。これが、昨季から大きく飛躍した高打率を生んでいると言っていいだろう。さらにいえば、これだけ逆方向の打球が多いにもかかわらず、打球速度がトップクラスというのも驚きだ。
今季の佐藤は昨季よりも体重を増やしてキャンプインしたが、その狙いを「昨季まで100の出力でしか打てなかった打球を80~90で打つため」と語っている。確実性を上げながら打球の質を落とさないという狙いが、しっかりと数字にも表れている。
一方の森下は全打球の実に75.4%がセンターからレフト方向。典型的なプルヒッターと言っていい。プロ1年目からパンチ力はあったが、今季はより「強い打球」を意識していることがこの数値からも透けて見える。後ろに佐藤が控えているというのも思い切りのよい打撃に徹することができる要因になっていると言えるだろう。
開幕から約2週間。この時点で選手の成績を論じることには確かに多少の無理がある。それは重々承知のうえで、それでも今季ここまで佐藤・森下コンビが見せているパフォーマンスは、残した数字も、トラッキングデータもリーグ屈指と言っていい。
球団2例目の「OPS1超えコンビ」誕生、伝説の「バース・掛布・岡田」超え。これらを達成することができれば、阪神の連覇はより現実味を帯びてくるはずだ。
取材・文/花田雪













