萩生田と梶山が思わず顔を見合わせた瞬間

真っ先に突きつけられる課題は、2026年度予算の成立時期だ。本来、通常国会は1月に召集され、4月から始まる新年度予算を3月31日までに成立させるのが通例である。

「予算の年度内成立は、時の政権にとっての絶対的な至上命題だ」

与党国対幹部がそう強調するのは、これが単なる政治日程の問題ではないからだ。年金や生活保護の支給、公務員の給与支払い、公共事業の執行など、国民生活の隅々にまで直結する。

しかし、その至上命題は、高市総理自らが「通常国会冒頭解散」という勝負に出たことで、物理的に絶望的な状況に追い込まれていた。予算審議には通常、衆参両院でそれぞれ1ヶ月、計2ヶ月の期間が必要とされる。

選挙戦の終盤、与党国対幹部は「どんなに急いでも、5月の大型連休(ゴールデンウィーク)明けの成立が関の山だろう」と周囲に漏らしていた。

ところが、勝利の余韻も冷めやらぬ2月13日。高市総理は国会運営を担う自民党幹部を官邸に呼びつけ、こう言い放ったという。

「予算の年度内成立をあきらめていません」

呼び出された萩生田光一幹事長代行や梶山弘志国会対策委員長は、思わず顔を見合わせたという。衆院選後の日程として、政府・与党内では2月18日の国会招集が内定していたが、総理側はさらなる前倒しや、予算委員会の審議時間の大幅な短縮を要求しているのだ。

萩生田光一幹事長代行(撮影/集英社オンライン)
萩生田光一幹事長代行(撮影/集英社オンライン)

総理側近「抜本的に見直すべき時期に来ている」

総理側近の一人は、旧来の国会慣習をこう切り捨てる。

「そもそも、日本の総理大臣の国会拘束時間は、欧米諸国と比較しても異常なほど長い。これほどの大勝を収めた今こそ、その非効率なシステムを抜本的に見直すべき時期に来ているのではないか」

だが、現時点で年度内成立を強行しようとすれば、衆参それぞれの審議時間を例年の半分程度、わずか2週間ほどに圧縮しなければならない。

圧倒的な議席数を誇る衆院では「数の力」による押し切りが可能かもしれないが、参院では自民・維新の連立与党をもってしても、依然として過半数に5議席足りない「ねじれ」状況が続いている。参院立憲の幹部は「やれるものならやってみろ。審議を軽視する暴挙には、参院の誇りにかけて徹底抗戦するのみだ」と激しく反発している。