昭和の日本の道場は根性論だった
――そういったゴッチ道場での日々が、こんにちの藤波さんのベースになってるわけですね。
藤波 ああいう練習を毎日やっていたから本当にコンディションが良くて、当時は1時間でも2時間でも試合ができそうなくらいだったから。
――今回の本に出てくる「コシティ」のトレーニングも、ゴッチさんが新日本の道場に導入したんですよね?
藤波 そう。あれはインドや中近東のレスリングの選手が昔からやっていたトレーニングで、野球のバットを何倍にも太くしたような棍棒を振り回すんだけど、ゴッチさんが新日本の道場に取り寄せてくれたんだよね。あれは肩やヒジの柔軟性を養うのに最適だし、グリップも鍛えられる。また、重いコシティを振り回すから、体幹や下半身の強化もできるんだよね。
――コシティのトレーニングは昭和の新日本道場の象徴みたいな感じがありましたけど、当時はコシティなんか手に入らないから、真似したくても真似できなかったんですよね。でも、今回の本ではコシティの代わりに水を入れたペットボトルでも同じようなトレーニングができるって書いてあったので、早速真似したくなりました(笑)。
藤波 本物のコシティはすごく重くてあれを振り回すのは難しいんだけど、一般の人なら500mlのペットボトルでもけっこういい運動になるし、肩のストレッチにもなる。一般の人は、われわれレスラーと同じ運動をする必要はないわけだから。
――昭和のプロレス少年は、「プロレスラーはヒンズースクワットを3000回やる」って聞いて自分でも真似してみて、100回くらいやって筋肉痛になった経験は誰しももってますけどね(笑)。
藤波 ゴッチさんの練習は理にかなったものなんだけど、昭和の日本の道場は根性論だったからね。鍛えたプロレスラーでも屈伸運動を3000回、4000回とやったらヒザを壊しますよ(笑)。だから、今回出した僕の本を読んでくれる人たちには、家でもできるストレッチとか、そういった部分を真似してほしいね。
取材・文/堀江ガンツ 撮影/甲斐啓二郎













