選手生命の危機ともいえた大けが

――体重180キロのビッグバン・ベイダー戦で腰を痛めて、一時は選手生命の危機だったんですよね。

藤波 そう。あの時は地獄だったね。あまりの痛みで夜も眠れないし、自力で歩くこともできない。トイレに行くにも妻の補助がなきゃ行けないんだから。

僕は運良く1年3カ月で復帰できたんだけど、あの時、自分の身体の“手入れ”を常日頃からやり続けなきゃいけないんだなということを痛感して、そうして始めたのが起床後のストレッチなんですよ。もう35年以上続けてますけどね。

――そんなに長く続けられてるんですね。

藤波 自分たちのような格闘を生業とする職業は毎日運動するのが当たり前ではあるんだけど、やっぱり僕らも人間だから時には億劫になるし、身体のどこかが痛かったりすると、「今日はジムに行くのはやめておこうかな」「明日やればいいか」と、思ってしまったりするんだよね。でも、これが1日休むだけならいいけど、数日休んじゃったりするとよけいに億劫になるし、トレーニングを再開してもなかなか戻らない。でも、ベッドの上でストレッチをするだけなら、続けるのも容易なんですよ。

〈72歳で現役レスラー〉藤波辰爾が明かす「体が動き続ける人」の朝習慣…秘訣はベッドの中の5分_2

――いまみたいな冬の時期だと、目が覚めてもなかなかベッドから出られなかったりしますけど、藤波さんがやられてるストレッチは、そのままベッドの上でできちゃうわけですもんね。

藤波 寒い日だったら、暖かい布団の中でやるんですよ。起きる前にまず、だいたい5分から10分。まず足首を回して背伸びをして、肩、腰、膝、すべてのジョイントを動かすんだよね。それからベッドを出て、またストレッチをする。そうすると、仕事に出勤してもすぐ活動モードに入れるし、休みの日だったら、そこからウォーキングに行ったり、好きなスポーツをやるのでもいいし、ゆっくり休んだっていいしね。朝ストレッチをすることで、一般の人も日常生活を快適に過ごすことができるんじゃないかな。

――プロスポーツ選手が日々やっている練習って、普通の人はなかなか真似できないじゃないですか。ましてや中高年がやったらケガのリスクもありますけど、藤波さんのような若い時から過酷なトレーニングを積んでる選手が、「ベッドの中でストレッチするだけでいい」って言ってくれると、すごくハードルが下がっていいですね(笑)。

藤波 簡単だけど大事なことなんですよ。そして毎日続けられるように習慣づけることが大事だね。あと僕が年齢を重ねてもトレーニングを欠かさないっていうのは、現役だから当たり前っていうことにプラスして、やっぱりカール・ゴッチさんの影響が大きいね。