「だいたい、しゃっくりし始めると危ないんですよ」
しかし相手は嘔吐するほどの酩酊状態のケースがほとんどだ。請求に素直に応じない場合はどうするのか。
「基本的に降車時にご請求させていただきますが、もしお客様のお手持ちがないなどでしたら立て替えさせていただき、後日請求などの対処になると思います。トラブルに発展しそうな場合は警察に介入していただくなど、その場の乗務員の判断になります」(km広報担当者)
公表以降、乗務員や消費者からの反響はないか聞くと「今のところありません」とのことだった。
では、今回のリリースを現役タクシー運転手らはどう見ているのか。都内の繁華街を中心に走る女性ドライバーに話を聞いた。
「営業前に毎日朝礼があるのですが、そこで『嘔吐等による営業損害の請求』に関する話は聞きましたが、2万円の内訳の中に乗務員への補償は含まれてないみたいでがっかりです。営業開始して5、6人実乗して、21時頃に乗せたお客さんに吐かれたこともありました。すぐに営業所に戻って掃除しても臭いが取れなかったので別の車で営業しましたけど、その日の売上は過去最低でした。正直、嘔吐するお客様を乗せた時はハズレくじを引いたような感覚です」
だが、明らかに泥酔している客でも乗せないわけにはいかないのだという。
「乗車拒否になってしまいますからね。乗車後にお客様が『気持ち悪い』と言ってたとしても、口では『大丈夫ですかあ』とか言いながらスピードも控えめにブレーキもいつも以上にゆっくりかけて『どうか吐かないで!』と祈りながら運転してますから」
この女性ドライバーは、長年の経験から泥酔客が吐きそうなタイミングを察知できるようになったという。
「だいたい、しゃっくりし始めると危ないんですよ。以前、最初は寝てたのに急にしゃっくりし始めて、代金を支払って降車した途端、道路にグゥエーッと大量に嘔吐している方がいました。危なかったです…。だからしゃっくりをし始めた人には必ずお声がけして、『吐きそう』と言われた際はお客様に了承いただき停車します。いきなり車内で吐くのだけは本当にやめてほしいです」














