世話人からの提案でクレームが一切なしに

世話人からの思わぬ提案を受け、寺はある決断を下した。

「試しに大晦日のお昼過ぎ14時から『除夜の鐘』を開始することで了承を得ました。すると好評で、檀家さんはもちろん、それ以外の皆さん、それも老若男女の多くの方が集まってくださいました。

すると世話人の中から『主婦は帰宅してからいろいろと忙しいので、もっと早く始めてほしい』という意見があり、その翌々年から昼12時、3年前からは午前10時に鐘を撞きはじめています」

幼児向けの小型の鐘「喚鐘」は子どもたちに好評だ(提供/大澤寺)
幼児向けの小型の鐘「喚鐘」は子どもたちに好評だ(提供/大澤寺)

一度中止するも、世話人からの提案をきっかけに時間を早め、今は午前10時から「除夕(せき)の鐘」を行なう大澤寺。

足元が明るい時間帯に行なうことから安全面のリスクが減り、年配者や子どもたちが気軽に撞けるようになった。また15時にはすべてが終了するため、深夜に鐘が響くことはなくなり、クレームが一切なくなったという。

「除夕の鐘」のチラシ(提供/大澤寺)
「除夕の鐘」のチラシ(提供/大澤寺)

「深夜の鐘撞きはほとんどが酔っぱらいと言っても過言ではないくらいで、立ち寄る人は限定的でした。今は家族連れが中心で、若い人たちが撞きに来てくれます。皆さん好意的に捉えておられるようで、それは笑顔の並ぶ様子からも推察できます。すべての事がうまくいったと歓んでいる次第です」と住職は話した。

除夕の鐘を撞く参拝者(提供/大澤寺)
除夕の鐘を撞く参拝者(提供/大澤寺)