「父・飛鷹二徹登場!!の巻」(ジャンプ・コミックス第115巻収録)
今回は、ザ・ガンコ親父代表のような男、飛鷹二鉄(ひだか・にてつ)が初登場する話をお届けする。
二徹は、12月17日からお届けしている「超威厳親父登場!!の巻」(ジャンプ・コミックス第111巻収録)の磯鷲剣之介(いそわし・けんのすけ)の娘である磯鷲早矢(いそわし・はや)の知人、飛鷹右京(ひだか・うきょう)の父親だ。
美しい妙齢の娘の父親が最恐の顔面の持ち主……というパターンを、近い連載時期に2キャラ続けて登場させているわけだが、両キャラがほとんどカブっていないところは、さすがだ。
本作が発表された時期には、12月15日からお届けしている「鬼軍曹ふたたび!!の巻」(ジャンプ・コミックス第92巻収録)の爆竜大佐など、強面のオッサンキャラが次々と描かれている。
秋本治先生の中でにわかに「恐い顔したおっさんブーム」が起きたのかというと、そういうわけではなさそうだ。むしろこの時期、爆竜大佐の娘・ジョディーにはじまり、磯鷲剣之介の娘・早矢、そして飛鷹二徹の娘である右京……と、新ヒロインが次々と登場していたのだ。二徹など、右京の双子の姉、左京、さらには双子のJK、月光&日光と、4人もの娘がいる。
超神田寿司の長女・擬宝珠纏(ぎぼし・まとい)の場合は、恐い父親ではなく両さんですら頭が上がらないスーパーばあちゃん、夏春都(ゲパルト)が父親の代わりに登場してる。いずれにしても美人の若い娘と一筋縄ではいかないキャラ立ちしまくった親を半ばセットのように登場させていったあたりが、秋本先生ならではのバランス感覚なのだろう。
なお二徹は、『サザエさん』の磯野波平や『巨人の星』の星一徹ばりの、昭和のガンコ親父だ……というか、名前やルックス、野球好きな点など、一徹のパロディ的な側面が強い。本作以降のエピソードでもかなり言動が荒々しかったのだが、やがていつの間にか両さんとの気のいい相棒的な関係性を築いていく。顔の描かれ方も最恐から男らしくも屈託のない笑顔へと、次第に変じていった。
それでは次のページから、昭和の恐~いガンコ親父が登場するお話をお楽しみください!!



















