「衆院定数削減などできるわけがない」
さらに、高市政権の不安材料になっているのが、自民・維新の両党が成立を目指す衆院定数削減法案だ。衆院議員定数の1割を目標とした上で、削減の具体的な内容については、与野党参加の協議会で検討するという内容だ。ただし、1年以内に結論が出なければ、「小選挙区25、比例20」を自動的に削減する規定も盛り込む方針だ。
ただ、野党からはその妥当性に、異論が相次いでいる。野党が多数を握る参院で審議が長引く可能性もあり、臨時国会の会期末が12月17日に迫る中、先行きは極めて不透明だ。
自民党のベテラン議員も、筆者の取材にこう語る。
「できるわけがない。総理側近の木原稔官房長官(56)も周囲に、『維新とやると約束した以上、法案は出す。でも、一生懸命やって、通らなかったら仕方ない』と言っています。参院側も『できるわけがない』とのスタンスです。維新はどうにか通そうと、参政党を巻き込もうとしている。ただ、参政党側はその代わり公設秘書の数を増やすことを要求しているそうです。これを維新が呑めるわけがない」
その上で、「衆院定数削減法案のなり行き次第では、維新との連立見直しも一案になってくる」と続ける。
「公費還流疑惑をはじめ、維新は不祥事が続いている。衆院定数削減法案で無理を言ってくるようなら、連立を解消するという選択肢も出てくる。
その上で、高市総理が『維新さんもいろいろ言っている。やはり自民党で絶対安定多数がなければ、政権運営は困難だ。高市政権を継続するべきかどうか信を問いたい』と、衆院解散に打って出れば今の高支持率なら勝てる。支持率は今後、下がっても上がることはない。過半数に届かなければ、衆院選後に国民民主党と連立を組み直すやり方もある」(同前)
閣僚のさらなる“気の緩み”が露呈する前に、高市総理は手を打つのか。それとも――。
取材・文/河野嘉誠 集英社オンライン編集部ニュース班














