チェッカーズのレコードに針を落とした瞬間、昭和が始まった
――まずは、昭和カルチャーに惹かれた最初のきっかけを教えてください。
阪田マリン(以下、同)中学2年生のとき、おばあちゃんの家にレコードプレイヤーがあったんです。私は完全にCD世代だったので、“どうやって使うんだろ?”って状態で。
おばあちゃんに使い方を教えてもらって、家にあった父のレコード――チェッカーズの『SONG FOR U.S.A.』を聴かせてもらったら、「針1本でこんな音が出るんやだ!?」ってすごく感動しました。
――どうしてレコードがご自身にそこまで刺さったんでしょうか。
平成生まれにとって、昭和は懐かしくもないし、古臭くもないんですよ。むしろ“新しい”。未来的に感じたんです。それが大きかったと思います。
――平成・令和の文化と比べて、昭和のどんな点に惹かれますか?
アナログかどうか、ですかね。スマホがあれば全部できてしまう今って、待ち合わせも連絡も手軽です。でも昔は、電話ボックスに行って10円玉を積んで電話したり、家に電話するときも“親が出るかもしれない”ってドキドキしながらかけたりして、本人に繋がった瞬間に喜んでって……。1個1個のことに喜びの起伏があったんやろうなって思うんです。
――ある意味、“不便さが良かった”という感覚ですよね。
そうですね。完全じゃないところが、逆に魅力なんだと思います。
――若い世代にも昭和カルチャーが流行っている理由は何だと思いますか?
やっぱり“新しさ”ですね。昭和を経験したことない子が好きになるのって、それだけ新鮮だからだと思います。あと、友だちに聞くと、“昔親が車で流してた曲を、最近また聴いてみたら好きになった”って話が多いですね。
――やはり、入り口は親御さんの影響が大きいのですかね。
そう思います。家庭で自然に触れてたものが、後になって“昭和だったんだ”と気づく感じです。

















