「私たちの誇りである漢拏山でウンチさせる?」

12月2日、複数の日本メディアは中国紙の記事を引用し、中国の大手旅行サイトで人気の海外旅行先として今年10月にはトップだった日本が来年1~2月の訪問先では10位圏内からも外れ韓国やタイに人気が移ったと報じた。

韓国では「内乱罪」で逮捕、起訴された尹錫悦前大統領が、昨年尹政権の与党が総選挙でボロ負けしたのは「中国が介入した不正選挙が行われたためだ」とデマを撒いた。支持者がこれに乗って現在の李在明政権と中国を非難。9月末に中国人団体観光客のビザ免除が始まった後は、ソウル・明洞などで数百人から千人が「中国人は出ていけ」と叫ぶアンチ中国デモを頻繁に行なっている。(♯1

この嫌中感情の火に油を注いだのが、ビザ免除で増えた中国人観光客自身のふるまいだ。

「ソウルの顔ともいえる朝鮮時代の王宮・景福宮の壁のそばで11月10日、70代の男性が野グソをして警察に摘発されました。男性は数十人の団体客の一人で、そばには他にも“モノ”があり、団体の中の女性が疑われましたが立件には至っていません」(韓国メディア記者)

あきれ果てた振る舞いを「●●テロ」と名付けがちの一部韓国メディアは、この事件を早速「大便テロ」と報道。ネットでは非難の大合唱になった。

景福宮(景福宮ホームページより)
景福宮(景福宮ホームページより)
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南部の済州島にあり、ユネスコの世界遺産として登録された国立公園になっている漢拏山でも、同様の事件が起こった。韓国人登山客が10月14日に公園のホームページに、「9月30日に登山していると女性が6~7歳の子どもにウンチをさせていたんです。マジ、中国人は常識も配慮もなく最悪だって分かってたけど、私たちの誇りである漢拏山でウンチさせる?」との怒りの告発を投稿。

貼付された写真には、遊歩道で尻を出すこどもと女性らしい人物が写っており、公園側は、「ルールを書いた中国語の案内文を設置しパトロールを強化します」と回答した。このやりとりが11月下旬にネットで拡散し、また“大便テロ”への怒りが噴き上がった。

「中国では仕切りのない公衆トイレで顔を見合わせながら用を足す“ニーハオトイレ”が少し前までは普通でした。子どもに道端で用を足させるのは今でもよく見ます。
その感覚が持ち込まれたとみる向きもありますが、韓国メディアは『北京の中心にある紫禁城のそばで野グソをして許されるのか』とも指摘しており、『中国人観光客は自国でもできないことを韓国でやっている』との怒りは強いです」(中国駐在経験者)

漢拏山国立公園のホームページに投稿された証拠写真
漢拏山国立公園のホームページに投稿された証拠写真