舞台から上は役者の仕事、客席は妻の仕事

そんな三田に認められ、結婚を許された能條。気になるのは今後の “嫁姑関係”の行方だ。演芸記者が語る。

「三田さんは芝翫のお母さんをママと呼んでいます。義両親を本当の親のように接してきた。それは実家を捨て、成駒屋の人間として生きていくということを意味します。能條さんにとっては、これからは三田さんが“ママ”になる。成駒屋を継ぐ者としてそれなりの覚悟は必要になってくるでしょう」

写真はイメージです(PhotoAC)
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梨園の世界ならではの“常識”に能條がどこまで対応できるかも、今後を占うカギとなりそうだ。

「歌舞伎の世界では、基本的に舞台から上は役者の仕事、客席は妻の仕事という言葉があり、『妻は表に出るな』というのが不文律。芝翫さんの不倫騒動の時も、梨園のオトコの重鎮は『女が出しゃばるな』と大ブーイングでした。芸能人として表に立ってきた能條さんがそうした空気に耐えられるか、裏方に徹することができるかという不安を周囲はもっています。

しかし三田さん自身、『花の82年組』と呼ばれた元アイドルから梨園の妻になり、梨園の古い価値観を変えてきた人。そういう意味では、能條さんのよき理解者となれるのでは」(同前)

歌舞伎座(photoAC)
歌舞伎座(photoAC)
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もう一つ、梨園の妻につきまとう苦悩と言えば、夫の「女性問題」だろう。

芸能の世界には「女遊びは芸の肥やし」という言葉がある。三田は謝罪会見の際、「ウチには芸の肥やしなんてありません」と語っていたが、歌舞伎役者は女性関係が華やかでもいいという風潮はいまだに残ってしまっている。

「本人がいくら一途でも、タニマチに『キャバクラ行こう』と言われたら断れない。三田さんはそれを理解しているから、芝翫さんと離婚せずにここまできた。そこは能條さんもある程度、寛容にならないといけないかもしれませんね」(同前)

挙式・披露宴は2026年初夏。能條の梨園デビューまでに三田はどんな教えを授けるのか。

取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班