奈良暮らしの「お金」と「推し活」事情 

――ぶっちゃけ、金銭的にはどうですか? 生活費や仕事の増減はありましたか。 

出費は減りました。まず圧倒的に家賃が安いです。体感で、東京の 3 分の 1 から半分くらいですね。離婚後に都内でひとり暮らし用に借りた部屋は、築 50 年以上の木造おんぼろアパートにもかかわらず家賃が月 4 万円強だったのに、今は鉄筋コンクリ築浅で 3 万円です。

――お母さまとは近距離別居されているそうですね。

同居も考えていたのですが、母親から「バツイチの四十路女なうえに、高齢の母親と同居していたらもう男の人が寄ってこないよ。自立してくれ」と強く言われたんです。まぁその通りだなと(笑)。

父が亡くなった直後、母は一時的に要介助になったんですが、その後回復したので、母が一人で暮らせるうちは離れて住もうということになりました。

近距離別居できているのは、奈良の家賃の安さのおかげですね。仕事はコロナ禍を機に、打合せや取材がリモートで可能になったので、幸い少し減った程度で済んでいます。

編集さんと会って遊んだりすることは無くなりましたけど、私は LINE とかでよくやりとりするタイプなので、奈良にいるからすごく疎遠になるって感じでもないですね。 
 
――奈良クラブの応援や、ご当地アイドルの推し活については漫画『出戻りて、奈良。』の中でも描かれていますが、バンギャルの活動は奈良でもできていますか? 
 
昔に比べて、ヴィジュアル系バンドが奈良でライブをしてくれるようになったので、地元でもライブに行く機会があります。ただどれもワンマンで複数のバンドが出る対バンイベントは無いので、そういうライブに行くには小1時間ほどかけて大阪・京都に出ることになりますね。

そんなに枯渇している感じはないですが、やはり関東時代のように、ふと思い立って衝動的にライブに行く……みたいなことは無くなりました。 

奈良県橿原市の書店で開催したサイン会には、地元のマスコットキャラクター「蓮花ちゃん」も応援に駆け付けた
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