人事は総裁選で支援を受けた麻生氏の意向を踏まえ…
新総裁に高市氏が選ばれたことで、10月15日にも招集される見込みの臨時国会で、首班指名選挙が行われる見通しだ。衆参ともに少数与党となっている自民党だが、現状では野党6党ではまとまる見通しは立っておらず、高市氏の総理就任が有力視される。
高市氏が就任すれば、憲政史上初めての女性総理が誕生する。その“高市政権”にはいかなるリスクや課題が立ちはだかるのか――。
最初の関門といわれているのが、人事だ。
「高市氏は人付き合いがあまり得意なタイプではありません。自民党が少数与党となる中で、高市氏の弱点をカバーして、野党と話し合いができるベテランを幹事長に起用できるかが、一つのポイントになる。
連立パートナーである公明党も、高市氏とは距離があると言われてきた。石破政権における森山裕幹事長のように、野党とも公明党とも付き合える人が望ましいでしょう」(前出・篠原氏)
総裁選で支援を受けた麻生氏の意向を踏まえ、麻生氏の義弟・鈴木俊一元総務会長を幹事長に起用する説も囁かれる。
しかし、党内では、「自民党の長老政治の象徴である麻生氏の影響力が全面に出るのは好ましくない」(重要閣僚経験者)という指摘もある。高市氏を総裁選で支援した議員の登用も必要になるが、旧安倍派出身で、派閥パーティを巡る裏金事件に関わりのあった議員が少なくないのもネックだ。
「その意味でいえば、たとえば林芳正官房長官(64)は安定感もあり、幹事長に適任かもしれません」(前出・高市氏支援の閣僚経験者)
林氏のみならず、挙党態勢を築くために、総裁選を戦ったライバルたちを全て登用すべきだとの意見は根強い。篠原氏は「決選投票を戦った小泉氏の処遇も重要です。彼の発信力を生かせるポジションが望ましい」と指摘する。
小泉氏の幹事長起用説も浮上するが、前出の高市支援の閣僚経験者は「閣僚か、政調会長などが妥当では」との見方を示した。