野球選手に「打てねえなバカ!無能」って観客が言ったら侮辱罪なんですか? 

――侮辱罪に心当たりはありましたか?

正直、なかったです。僕はずっとね、名誉毀損(きそん)に関してはかなり勉強してて。どういう条件で名誉毀損が成り立つのか。公益性とか真実性とか、真実相当性とか。または名誉毀損が棄却される条件とか。とにかく気をつけていたんです。

ただ、侮辱罪の場合、単に「アホ」「バカ」でも成り立つっちゃあ成り立つんですよね。そっちは正直ノーマークでした。

警視庁(ACより)
警視庁(ACより)

正直、こんなこと言ったら誰だってキリがないだろみたいな感じです。ある意味、ネット上でそんなこと言われ放題な状況ですし、実際に僕だってめちゃくちゃ言われてますよ。

でも僕らとしては、別にそんなもんで訴えないけどって思ってたんですけど、警察から自分にかかっている容疑について説明を受けたとき、「なるほど。こんなこともあるのか」ってその時思ったわけですよ。

一瞬だけ、「俺逮捕されるのかな」とも覚悟を決めましたが、「逃げも隠れもしないし、投稿内容については事実で、争うつもりはありません」と話しました。その日は1時間ほどで終わり、その後、都内の警察署で3回ほど事情聴取を受けています。

取材に応じる田端氏(撮影/集英社オンライン)
取材に応じる田端氏(撮影/集英社オンライン)

 ――メルカリとの事案をめぐっては、田端さんのXでメルカリが社外向けに公表している社員のインタビュー記事について、『無能を雇うのを株主からしたらやめてほしい』などと自身のXで投稿したとして、公然と侮辱した疑いが持たれていますよね。

そうです。その記事内では、社員さんが仕事論を語り、自分の仕事のミッションはある重要な数値を伸ばすことだと話していました。ただ、実際に11月に発表された決算資料を見て、まさにその数値が全く目標通りには伸ばせていなかったので、「無能」と指摘をしただけです。

当時のメルカリは購入したにもかかわらず、出品されたものではない関係ないものが送られてくるすり替え問題や、株価の下落など、いろいろな問題を抱えていました。

去年4月末から株を持たせてもらっていることもあり、ある種の批判というか問題提起をさせてもらっていました。

ちょっと大げさなたとえかもしれないですけど、野球選手に「打てねえな。バカ!お前!無能の年俸泥棒!」って観客が言ったら侮辱罪なんですか。

もちろん「死ね」などの人心攻撃はダメですよ。そんなの論外だ。ただ、その社員は自分が出すべき成果を出せていないんだから、それは能力がないという意味だと思うんです。