何度係員に注意されてもやめず…
「他のお客さんが係員を呼んだのでしょう。上映開始30分ほど経過したころに係員が男性に声をかけにいっていました。すると一度はやめたんですが、5分ほどで再開。さらに30分後にも係員が来て注意し、一度はやめるものの、係員が去るとまた点灯。結局、上映終了まで繰り返していました」
Aさんによれば、係員の声かけに対して男性は反論する様子はなかったという。注意されると淡々とスマホを片付けるが、すぐにまた操作を始めてしまう。その繰り返しだった。
「上映中は、その男性の行為に対するため息やざわつきが大きくあったわけではないです。ただ、一緒に観ていたパートナーが上映後に最初に言った言葉が、そのスマホ男性のことでした。やはりほかの人も同じように、気になって集中できなかったんだと思います」
スマホを操作していた男性は上映後、普通に大勢の客と同じタイミングで早々に退席していったという。
「正直なところ、あれだけ繰り返すなら退席をお願いしてほしかったです。ほかのお客さんは皆マナーを守っていたので、本当に残念でした」とAさんは率直に語る。
T・ジョイ品川は比較的客層がよく、Aさん自身も普段から頻繁に利用している劇場だった。それだけに、驚きも大きかったそうだ。
実際、Aさんは後日同じシアター・同じ席で別の映画を観たが、そのときは一切トラブルなく楽しめたそうだ。つまり、劇場全体が荒れているわけではなく、今回のケースは「一人のマナー違反」が極端に際立ってしまった出来事だったといえる。
映画館におけるマナーをめぐるトラブルは後を絶たない。快適に過ごしたいがために、一人で二席分を購入し、隣に人が来ないようにする観客もいるという。
また、そうしたニーズに応える形で、特別料金を払うことで、プライベート空間を確保できる「プレミアムシート」を設ける劇場も増えてきた。